Online Journal
電子ジャーナル
IF値: 1.878(2021年)→1.8(2022年)

英文誌(2004-)

Journal of Medical Ultrasonics

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2014 - Vol.41

Vol.41 No.Supplement

特別企画 消化器
パネルディスカッション 消化器1肝Elastographyに影響を与える因子

(S315)

急性肝炎におけるSWEの臨床的意義

The clinical significance of SWE in acute hepatitis

平良 淳一, 今井 康晴, 森安 史典

Junichi TAIRA, Yasuharu IMAI, Fuminori MORIYASU

東京医科大学病院消化器内科

Department of Gastroenterology and Hepatology, Tokyo Medical University

キーワード :

【目的】
Elasticity imaging(弾性映像法)による非侵襲的肝線維化診断は,肝線維化を直接評価することができる様になり,肝生検に代わる非侵襲的肝線維化診断方法として有用視されている.しかし,Shear Wave Elastography(SWE)は肝線維化だけでなく炎症や黄疸,鬱血などの影響を受けることが知られている.急性肝炎における肝弾性係数値上昇の報告は複数あり,当科における検討結果を報告する.
【方法】
2012年1月から2013年5月までの間に当科にて急性肝炎と診断された症例の内,経時的に肝弾性係数を測定し,その結果を採血データと比較可能であった11症例を対象とした.男性6例,女性5例,平均年齢48.2±16.6(24〜73)歳,成因の内訳はHAV1例,HBV7例,薬剤性2例,自己免疫性1例である.
【成績】
肝弾性係数値はPT-INR,Albuminと相関を認めた.PT-INRと肝弾性係数値は相関係数γ:0.64566312,寄与率r2: 0.416880865.Albuminと肝弾性係数値は相関係数γ:-0.7051411,寄与率r2: 0.497224031であり,いずれもP<0.001と有意な相関を認めた.特に劇症肝炎,重症肝炎の症例はいずれも弾性係数値は20Kpa以上を呈していた.
【結論】
SWEは慢性肝炎における線維化の評価だけではなく実質浮腫,炎症細胞浸潤・壊死等に影響を受けると推測され,急性肝炎における重症度や病態を反映する予後予測となる可能性がある.