Online Journal
電子ジャーナル
IF値: 1.878(2021年)→1.8(2022年)

英文誌(2004-)

Journal of Medical Ultrasonics

一度このページでloginされますと,Springerサイト
にて英文誌のFull textを閲覧することができます.

cover

2014 - Vol.41

Vol.41 No.Supplement

特別企画 循環器
シンポジウム 循環器4成人の先天性心疾患

(S291)

ASD・PFOカテーテル治療のための心エコー診断

Echocardiography for Percutaneous Closure of ASD and PFO

河村 朗夫

Akio KAWAMURA

慶應義塾大学医学部循環器内科

Department of Cardiology, Keio Universtiry School of Medicine

キーワード :

ASDは成人の先天性心疾患ではもっとも頻繁に遭遇するものであり,有病率も0.1-0.3%と多い.ASDのカテーテル閉鎖の歴史は,冠動脈インターベンションより2年早い1975年に始まった.器具の改良が進み,現在もっとも多く用いられているものがAmplatzer閉鎖栓である.海外では10万人以上,日本国内においてもすでに6000名以上の患者がその恩恵を受けている.現在,二次孔欠損型のASDの80-90%はAmplatzer閉鎖栓を用いたカテーテル治療が可能である.
一方,PFOのカテーテル閉鎖は奇異性塞栓の二次予防を目的として,EUではCEマークを取得し盛んに行われているが,わが国と米国では保険承認を受けるに至っていない.しかし,若年の脳梗塞症例で,他にリスクファクターを有しない患者に適応を絞れば,有効な二次予防になりうると期待される.
これらのインターベンションを行う際,心エコー図の果たす役割は非常に大きい.存在診断,治療適応の決定,治療法の選択,術中のイメージガイダンス,術後の経過観察,これらのいずれにおいても中心的な役割を果たしている.

今回は,ASD・PFOのカテーテル治療における,経胸壁,経食道,心腔内エコーの活用法について,ご紹介致します.有意義なディスカッションの場となれば幸いです.