Online Journal
電子ジャーナル
IF値: 1.878(2021年)→1.8(2022年)

英文誌(2004-)

Journal of Medical Ultrasonics

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2014 - Vol.41

Vol.41 No.Supplement

特別企画 領域横断
パネルディスカッション 領域横断2超音波検査教育体制の創造

(S264)

超音波検査教育体制の創造

Creation of an ultrasound-test education system: The feature and device in each domain

綿貫 裕

Yutaka WATANUKI

姫路赤十字病院検査技術部

Clinical Laboratory, Japanese Red Cross Society Himeji Hosital

キーワード :

はじめに
日本における超音波スクリーニングのほとんどは,臨床検査技師と診療放射線技師が担っている.超音波検査学会のアンケート結果によると,検査報告書は技師のみのコメント,技師のコメントと医師の承認を含めると90%に上り,責任重大である.そこで教育はどこでどうなされているか?技師の教育について同アンケート結果は,先輩技師40%,医師10%,他施設12%,研修会参加38%と研修会の役割は大きい.さいわいなことに,技師への研修会も私が検査を始めた20数年前に比べると多く見受けられる.内容も多岐にわたり,講義,ハンズオン,実技講習会などである.しかし,ハード面の研修会が少ないこと,特に最近はいろいろなアプリケーションが搭載されているにも関わらず,使いこなされていないことが残念である.今回腹部領域で私が関わった研修会を紹介し,全国での研修会の傾向分析を行い,今後の教育体制の構築に向けて模索したい.

教育の課題
究極は,日常のルーチン検査において,疑問があれば答えが聞ける体制である.当院では,放射線科,外科,小児外科等が充実しており比較的恵まれている.しかし,超音波室には医師は常駐してなく不自由を感じることもある.研修会で若手技師に困っていることは?と聞くと,上司がいない,上司に聞いても答えてくれない,検診部門なので症例を経験することが少ないなどを聞きく.
最近の若者の教育をしていると,マニュアルがないとか,聞いてませんとか,教えてもらってないなどと返事が返ってくる.私たちの世代は先輩技師がいなく,近隣病院に有給をとり研修に行き,臓器の描出法やプローブの扱い,造影(USアンギオグラフィ)など見て盗んで自施設で検査を行ってきた.そこで,どのように教育の場を得るのか,与えるのか?時代が変わったので職人みたいに徒弟制度は不似合で,やはりマニュアル作成し検査を進めるべきと思う.そこで,自施設で経験できないような症例や,新たな知見などは研修会で勉強する機会を与える.

教育のあり方
研修会を開催するにあたり,どのようなレベルの研修会を開催するのか?対象臓器は?ハンズオン?実技講習会を併催するのか?いつもの悩みである.
研修会すべき内容は,超音波の基礎,装置の使用方法,解剖学,病態生理,検査に対しての心構えなどである.
超音波検査学会では超音波検査学会学術集会,医用超音波講習会(以前は超音波検査士対策を行っていた),各地区の地方会でセミナー,教育セッションを開催している.
日本臨床検査技師会では,指導者講習会などを開催している.地臨技では,各種研修会を開催している.又,各地区での研究会は有志が集まり開催している.そこで本講演では技師対象の研修会について,開催内容の分析と今後望まれる教育体系のあり方を報告する.