Online Journal
電子ジャーナル
IF値: 1.878(2021年)→1.8(2022年)

英文誌(2004-)

Journal of Medical Ultrasonics

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2014 - Vol.41

Vol.41 No.Supplement

特別企画 領域横断
シンポジウム 領域横断9各領域の診断基準のポイントはここだ!

(S247)

甲状腺結節(腫瘤)超音波診断基準

Standards for the Ultrasonography of Thyroid Nodules (Tumors)

宮本 幸夫

Yukio MIYAMOTO

東京慈恵会医科大学放射線医学

Diagnostic Ultrasound Center, Department of Radiology, Jikei University School of Medicine

キーワード :

日本超音波医学会では下記の如き甲状腺結節(腫瘤)超音波診断基準:平成11改訂 が公示されている.
特に,この診断基準では,「主」と「副」とに2分した.超音波所見として客観的評価の中から有用性が高い(明らかなもの)を「主」とし,主所見に比べ有所見率の統計学的差違が低い所見を「副」している.「主」としては,形状,境界部の明瞭性・性状,及び内部エコー(エコーレベルと均質性)を,「副」としては微細高エコーと境界部低エコー帯をそれぞれ配置し,良悪性における特徴を記載した.また,8項目の付記を記載し,上記の診断基準を足した.特に,悪性所見を呈する結節の多くは「主」を呈し,乳頭癌,濾胞癌,髄様癌,悪性リンパ腫,未分化癌などで認められるのに対し,良性所見を呈しうる悪性疾患としては,微少浸潤型濾胞癌及び10mm以下の微小乳頭癌・髄様癌・悪性リンパ腫などがあることも付記することで,従来の診断基準が乳頭癌に的を絞ったものである点を回避したことなどが,今回の診断基準における新しいポイントである.具体的な日超甲状結節(腫瘤)超音波診断基準に関しては,日医方のホームページを参照されたい.
甲状腺びまん性病変,小児甲状腺結節の超音波診断,甲状腺の血流イメージング等に関しては,まだ診断基準が出来上がっていないが,現在JABTSにてカラードプライメージングに関しては検討中である.
したがって,甲状腺超音波診断基準に関しては未完成であり,超音波診断自体日進月歩であるから上記の項目を含めて,今後さらなる改訂が必要である.