英文誌(2004-)
共同企画3
日本消化器がん検診学会共同企画新たなカテゴリー分類!腹部超音波検診判定マニュアル
(S191)
腹部超音波検診判定マニュアル-脾臓その他について-
Categorized Criteria for Abdominal Ultrasound Cancer Screening-Spleen etc-
中島 美智子
Michiko NAKAJIMA
埼玉医科大学総合診療内科
GENERAL INTERNAL MEDICINE, SAITAMA MEDICAL UNIVERSITY
キーワード :
{目的脾臓その他の判定マニュアルにつき説明する.
{要約}腹部超音波検診および腹部超音波検診時,脾の腫瘍性病変を発見する頻度は他臓器に比しかなり少ない.この原因として原発転移を合わせても,悪性腫瘍の発生率自体が少ないこと,左肋骨内に位置し,横隔膜を介し左肺に接している解剖学的位置関係のため,肋骨や肺のガスのアーチファクトで,全体の描出が困難な臓器であり,呼吸の細かい調整など描出テクニックが必要であることがあげられる.
しかし,リンパ腫や転移性腫瘍など,超音波検診で初めて認められることもある.また大動脈瘤もまた,検診で見つかる可能性のある疾患である.
脾臓病変のカテゴリー分類は他の実質臓器と同様充実性病変と嚢胞性病変とに分けて観察することがポイントである.なお,脾門部充実性病変と副脾と考えらえる内部エコー均一で脾臓と同等のエコーレベルの類円形腫瘤像とを混同しないようにする必要がある.大動脈瘤およびリンパ節腫大は大きさと形状が分類のポイントとなり,治療法の選択に影響するため,きちんと把握して頂きたい.