Online Journal
電子ジャーナル
IF値: 1.878(2021年)→1.8(2022年)

英文誌(2004-)

Journal of Medical Ultrasonics

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2014 - Vol.41

Vol.41 No.Supplement

共同企画2
日本消化器内視鏡学会附置研究会 超音波内視鏡下治療研究会共同企画消化器領域におけるEUS-FNAの現在とこれから

(S184)

我が国におけるInterventional EUSの歴史と現況

Interventional EUS in Japan - past and current status

山雄 健次

Kenji YAMAO

愛知県がんセンター中央病院消化器内科

Gastroenterology, Aichi Cancer Center Hospital

キーワード :

超音波内視鏡検査(EUS)は1980年代初頭に,超音波内視鏡下穿刺吸引法(EUS-FNA)は1990年初頭に臨床応用が開始された比較的新しい検査法である.EUSは当初は膵癌の早期発見を目指して開発された経緯があるが,その後は胆膵疾患の精密検査法として小病変の発見,病変の鑑別診断や癌の局所進展度診断に,更には消化管疾患では粘膜下腫瘍の質的診断や消化管癌の深達度診断に有用性が認められ,今や消化器疾患の診療には必要欠くべからざる検査法としての地位を確立した.
一方,EUS-FNAは開腹下の生検やUS/CTガイド下穿刺吸引法と比較して高い診断精度と低侵襲性という大きな利点を有することから現在では高く評価されており,近年では本邦においても消化器領域のみならず,縦隔・肺疾患,血液疾患などに広くも実施されるようになった.種々の理由で世界には大きく後れを取ったが,EUS-FNAが2010年4月には本邦においても保険収載され正式の診断技術として認められたことを機に最近の普及は著しいものがある.また,EUS-FNAの技術を応用し,最近では種々のEUSガイド下治療法も行われており,2012年には超音波内視鏡下瘻孔形成術(腹腔内膿瘍に関するもの)として保険収載され,超音波内視鏡下に膵嚢胞・膿瘍,直腸周囲膿瘍,閉塞性黄疸に対する胆道ドレナージは正式の治療技術として認められた.その他にもEUSをガイドにした薬液注入やデバイス留置も行われるようになってきている.
本講演では本邦でのEUS-FNAとEUSガイド下治療の今までを振り返り,現況を概説し,各専門領域の演者のイントロとしたい.