Online Journal
電子ジャーナル
IF値: 1.878(2021年)→1.8(2022年)

英文誌(2004-)

Journal of Medical Ultrasonics

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2014 - Vol.41

Vol.41 No.Supplement

共同企画1
日本心エコー図学会共同企画日本超音波医学会と日本心エコー図学会:どう棲み分ける?

(S180)

日本超音波医学会における医工連携・多領域連携

Cooperation between medical and engineering, among mutiple midical areas for JSUM activities

谷口 信行

Nobuyuki TANIGUCHI

自治医科大学臨床検査医学

Clinical Laboratory Medicine, Jichi Medical University

キーワード :

「医工連携」
日本超音波医学会は,2013年で50周年を迎えた.我が国の超音波医学の歴史は,1961年に工学の先生方の主導ではじまっている.超音波医学研究会の発足が1963年であり,その時の会長が現在菊池賞に冠せられている東北大学の菊池善充先生である.その後医師の参加が多くなり,現在の本会へと続いている.その装置の歴史を見ると,医師の主導というより,超音波工学・機器メーカーの貢献が大変大きいものであることがわかる.医師のアイデアにうまく画像化する装置の工夫がそれを支えていたと想像される.最初のエポックである断層像の作成と製品化,カラードプラ法の作製,体腔内走査用の探触子の作製など,工学系の会員の貢献度は大きく,いわゆる医工連携のたまものと思われる.また,最近では,臓器の弾性の評価法など,大学の研究者のアイデアも画像化が可能となっている.
これまで本会では,その重要性を鑑み,本会の役員(現在20名の内5名を工学系),代議員委員の構成(200名中30名が工学系)も,工学系と医学系の構成比率が決められており,この数は会員数の比率より,工学を重視していたものと理解している.
今後も,本会の発展のためには医工連携は必須であり,本会が単に超音波装置を使用した臨床応用だけにとどまらず,装置の開発も含めた医工連携の学会であることがその存在意義を支えている.単に,開発されたものを,使用して新たな画像を得るだけでなく,医師が自分たちでその開発にも貢献することが,本会に期待される姿であると思っている.
なお,会では技術賞を定めており,装置を作製した技術者にも光を当てるようにしていると聞いている.
「多領域連携」
医学では,臓器ごとの専門医を認定しているが,超音波医学は,診断治療とも,極めて他領域にわたっており,本会の認定する超音波専門の領域を見ても,多岐にわたっている.
現在,循環器,腹部,泌尿器,産婦人科,乳腺甲状腺,整形外科,眼科,胸部,脳神経の領域(加えて総合領域)で受験が可能であり,その関連領域の広さがわかる.加えて,本会の認定する検査士制度では,体表臓器・循環器・消化器・泌尿器・産婦人科・健診・血管と細分されている.最近ではその上位の認定として,指導検査士の認定も行われている.
また,技師の関連としては超音波検査学会との関連も大変深く,認定制度における会員歴には,超音波検査学会の会員歴も認められている.
参考図書:
日本超音波医学会50周年記念誌
超音波医学の先駆者たち 「日本の黎明期を支えた人々」