Online Journal
電子ジャーナル
IF値: 1.878(2021年)→1.8(2022年)

英文誌(2004-)

Journal of Medical Ultrasonics

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2013 - Vol.40

Vol.40 No.Supplement

一般ポスター
コメディカル:基礎と血管領域

(S701)

HIFU装置における出力パワーの違いおよびターゲットの深さによる焼灼作用の基礎検討

The basic study on cauterization effects by the difference of the output power and the target depth in the High Intensity Focused Ultrasound (HIFU)

曽根原 純子, 北川 まゆみ, 光野 譲, 井原 完有, 麻生 智彦

Junko SONEHARA, Mayumi KITAGAWA, Yuzuru KOUNO, Kanyu IHARA, Tomohiko ASOU

国立がん研究センター中央病院放射線診断科

Division of Radiological Diagnosis, National Cancer Center Hospital

キーワード :

【目的】
高密度焦点式超音波(High Intensity Focused Ultrasound : HIFU)では,各種条件により得られる焼灼効果は変わってくる.そこで,超音波の出力パワーの違いおよびターゲットの深さの違いによる焼灼作用への影響について基礎実験を行ったので報告する.
【使用機器】
China Medical Technologies社製 HIFU装置 FEP-BY02 HIFUGE社製 超音波診断装置 LOGIQ P5株式会社八光製 熱電対グラフテック株式会社製 midi LOGGER GL900 OST株式会社製 ファントム
【方法】
①出力パワーの違いによる焦点エネルギーの検証.照射条件はTran.Time1000ms Int.Time1000ms 10Puls/spotは固定とし,出力パワーを200W,400W ,600W,800W,1000Wと変化させてターゲット部の温度を測定した.また,視覚により波及効果を確認した.②ターゲットの深さによる焦点エネルギーの検証.①の測定でターゲットの深さを2cm,5cm,10cm,15cmと変化させて行った.
【結果】
①ターゲットの深さにかかわらず,出力パワーが高い程焦点温度は上昇した.600W 以上で60度を超える温度が得られた.1000Wでは瞬時に100度近くまで温度が上昇した.②ターゲットの深さによるあきらかな焼灼の温度変化は見られなかった.
【考察】
今回の基礎実験では,600W以上の出力を用いて照射を行えば焼灼効果が期待されることが示唆された.但し,実際の人体ではターゲットの深さが浅く表面に近い場合は,パワーが強すぎると高温により表面に熱傷等を起こす可能性があるとこも考えられる.また今回,ターゲットの深さによる温度変化が見られなかったのは,均一ファントムで行ったためと考える.実際の人体では様々な臓器等で超音波の減衰率が異なるため更なる検証が必要である.発表当日では,減衰率の異なる物質を使用した実験結果も合わせて報告する.
【結論】
実際のHIFU治療では,体型やターゲットの深さにより必要な出力パワーを理解して設定することで効率的な治療を行うことができると示唆された.