Online Journal
電子ジャーナル
IF値: 1.878(2021年)→1.8(2022年)

英文誌(2004-)

Journal of Medical Ultrasonics

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2013 - Vol.40

Vol.40 No.Supplement

一般ポスター
コメディカル:その他

(S700)

脱気水と水道水によるスペックルパターンノイズについての検討

Study of speckle pattern noise due to tap water and degassed water

谷口 杏奈1, 齋藤 享子1, 林 則夫1, 対馬 義人2

Anna TANIGUCHI1, Kyoko SAITO1, Norio HAYASHI1, Yoshito TSUSHIMA2

1群馬県立県民健康科学大学診療放射線学部, 2群馬大学大学院医学系研究科放射線診断核医学

1Radiological Technology, Gunma Prefectural College of Health Sciences, 2Department of Diagnostic Radiology and Nuclear Medicine, Gunma University Graduate School of Medicine

キーワード :

【背景】
飲水法の用いる超音波検査として,胃内腔を拡張させることにより,スキルス胃癌などの鑑別が可能[1]となることや,また膵臓の描出不良な際の方法として胃や腸管に水を入れガスを排除し,その水を音響窓として膵を走査する方法[2]がある.水道水を飲水したときに,スペックルと呼ばれる斑紋状のパターンが現れ,画質劣化の要因となるとされており,脱気水を用いることが推奨されている[2].脱気水の生成には,沸騰後,少し時間が経過した水を使用するが,生成方法や経過時間の検討はされておらず,また水道水との相違について検討がなされていない.本研究では,水道水と脱気水のスペックルパターンノイズの計測を行い,比較検討したので報告する.
【方法】
超音波装置はTOSHIBA社製nemio35,PVM-375ATコンベックスプローブを用いた.対象に対して探触子がぶれないように固定し,同一位置から超音波像を取得した.ビーカーに水道水を入れ,直ちに画像を取得した.以後1分ごとに撮像を繰り返した.また,水道水を電気ポットに移し入れ,沸騰させた後に静かにビーカーに戻し,再度画像を取得し,1分ごとに撮像を繰り返した.スペックルパターンノイズを計測し,経過時間との関係について検討した.
【結果】
水道水のスペックルパターンノイズ数:直後88,1分後12,2分後8,3分後2,10分後2,脱気水のスペックルパターンノイズ数:直後1,1分後1,2分後2,3分後1,10分後1であった.
【考察】
水道水に関して,直後の画像はスペックルパターンノイズが目立ったが,1分後以降はスペックルパターンノイズが減少し,3分後以降は脱気水と同等となり目立たなくなった.今回の基礎実験においては,脱気水を用いる必要はなく,一定時間経過後の水道水を使用することが可能であった.
【参考文献】
[1]岩崎信広,岡部純弘.ステップアップ消化管超音波検査.東京,医歯薬出版株式会社,2006;p.5-26.
[2]辻本文雄,松原馨,井田正博.腹部超音波テキスト〜上・下腹部〜 改訂第三版 (Atlas Series超音波編).東京,株式会社ベクトル・コア,2010;p.156-157,p322-329.