Online Journal
電子ジャーナル
IF値: 1.878(2021年)→1.8(2022年)

英文誌(2004-)

Journal of Medical Ultrasonics

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2013 - Vol.40

Vol.40 No.Supplement

一般ポスター
コメディカル:腹部と表在領域

(S695)

ラジオ波焼灼療法後のB-mode超音波所見の経時的変化の検討

Examination of changes over time of ultrasound findings after radiofrequency ablation Bmode

星 晴彦1, 日下部 民美1, 後藤 亨2

Haruhiko HOSHI1, Hitomi KUSAKABE1, Tooru GOTO2

1大森赤十字病院臨床検査科, 2大森赤十字病院消化器科

1Medical Laboratory, Omori red cross hospital, 2Gastroenterology, Omori red cross hospital

キーワード :

【目的】
経皮的ラジオ波焼灼療法(以下RFA)のB-mode画像の変化についての検討は十分ではなく再発部を指摘するためにも,壊死部の変化を把握することは重要と考えられる.今回私たちは無再発病変のRFA後のB-mode画像を,長期にわたっての経時的変化を観察し,どのように変化するかを検討した.
【対象および方法】
対象は2007年9月から2012年11月まで当院を受診し,肝細胞癌と診断されRFAを実施した症例のうち,RFA前の肝細胞癌は3cm以下で1年以上局所再発のない症例で,長期わたり超音波画像の経時的変化が観察できた16症例18病変であった.検討方法はB-mode画像を,前期(RFA後6か月以内)と後期(RFA後1年以降)で,下記項目について比較した.評価項目は,大きさ,境界,エコー輝度,後方エコー,針跡の確認の有無,背景の肝疾患について検討した.使用装置はALOKA SSD5000, ALOKA α7,TOSHIBA AplioXGを使用.患者背景は男性15名,女性3名,平均年齢64.1歳で,平均の治療前肝細胞癌腫瘍径は15.1mmであった.
【結果】
対象の背景の肝疾患は肝硬変が5病変,慢性肝炎が11病変,脂肪肝が2病変で,慢性肝炎,肝硬変での脂肪沈着は10病変であった.検討結果であるが,検討した時期は,前期が治療後平均5.1か月,後期が治療後平均16.9か月で両者の間隔は平均11.8か月であった.大きさによる変化は,前期が平均28.4mm,後期が24.2mmで,後期の方が前期より85%縮小していた(p<0.05).境界エコーは,前期は,明瞭に確認しえたものが10病変,不明瞭であったものが8病変に対し,後期は明瞭が1病変,不明瞭が17病変とほとんど病変で不明瞭化していた.エコー輝度は前期Isoechoic 1病変,Hypoechoic 3病変,Hyperechoic 14病変に対し,後期はIsoechoic 7病変,Hypoechoic 1病変,Hyperechoic 10病変と高輝度のものが減少していた.内部エコーに関しては不均一が多く,大きな前期,後期の差はなかった.後方エコーでは前期不変13病変,減弱5病変,後期不変9病変,減弱9病変とやや減弱が多くなっていた.針後の確認は前期確認5病変,不明瞭13病変,後期確認2病変,不明瞭16病変とほとんど不明瞭だった.
【結語】
今回の検討で,RFA後のB-modeは縮小傾向があり,全体に輝度が低下し不明瞭になる印象であった.経過中に明瞭な病変が指摘されたら再発を念頭に置く必要があることが示唆された.