林 英之, 有田 直子

Hideyuki HAYASHI, Naoko ARITA

福岡大学医学部眼科学教室

Department Ophthalmology, Fukuoka University

キーワード :

【目的】
小児の白色瞳孔（猫眼）診断においてB-モード眼軸長計測が果たす意義について検討した．
【対象と方法】
網膜芽細胞腫15例21眼．胎児性血管遺残（第一次硝子体過形成遺残）33例39眼，家族性滲出性硝子体網膜症31例56眼，コーツ病5例5眼，先天白内障11例22眼を対象として，B-モード超音波眼軸長計測を行った．
【結果】
網膜芽細胞腫眼の眼軸長は年齢発育曲線から逸脱することはなく，片眼例では患眼と健眼に差はみられなかった．胎児性血管遺残は発育曲線からも検眼との比較でも優位に小眼球を示した．その他の疾患においては眼軸長は様々な傾向を示した．
【結論】
小児白色瞳孔診断において，正常発育曲線を逸脱した小眼球や，患眼が健眼よりも小さい場合には網膜芽細胞腫である可能性はきわめて低い．