Online Journal
電子ジャーナル
IF値: 1.878(2021年)→1.8(2022年)

英文誌(2004-)

Journal of Medical Ultrasonics

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2013 - Vol.40

Vol.40 No.Supplement

一般ポスター
腎泌尿器:腎泌尿器

(S676)

TRUSガイド下経直腸ドレナージ困難例に経尿道的開放術を施行した前立腺膿瘍の1例

Prostate abscess with difficulty in TRUS-guided transrectal drainage treated with transurethral resection: a case report

押野見 和彦, 菅原 基子, 森田 順, 麻生 太行, 五十嵐 敦, 森田 將, 直江 道夫, 冨士 幸蔵, 深貝 隆志, 小川 良雄

Kazuhiko OSHINOMI, Motoko SUGAHARA, Jun MORITA, Takayuki ASO, Atsushi IGARASHI, Masashi MORITA, Michio NAOE, Kohzo FUJI, Takashi FUKAGAI, Yoshio OGAWA

昭和大学泌尿器科学

Urology, Showa University School of Medicine

キーワード :

【症例】
60歳,男性.頻尿を主訴に他院泌尿器科を受診.精査中に未治療の糖尿病と診断,血糖コントロール目的で同院糖尿病内科に入院した.入院中に発熱し,熱源精査で施行したCTで前立腺膿瘍と診断され,加療目的で当院へ転院となった.経直腸的超音波(TRUS)ガイド下経直腸的ドレナージを施行したが膿性状は粘稠度が高く,十分なドレナージは困難であった.抗菌薬と血糖コントロールのみの保存的治療のみで解熱し血液検査所見は改善したため,さらに血糖コントロール後,経尿道的ドレナージを施行した.術後は排尿状態も改善し,膿瘍も再発を認めていない.2003年から2011年の期間,当科における前立腺膿瘍は6例であり,いずれも糖尿病など易感染状態で尿路感染を契機とした発症であった.前立腺膿瘍の治療としてはTRUSガイド下でのドレナージや経尿道的前立腺切除術が多く選択されているが,直腸からのアプローチは穿刺針のサイズの制限などから,粘調性のある膿の十分なドレナージは困難な場合もある.前立腺膿瘍の診断はTRUSが簡便であり,症例によっては診断から治療まで一期的に施行可能な点で有用と考えられる.他の自験例も合わせて,若干の文献的考察を加えて報告する.