Online Journal
電子ジャーナル
IF値: 1.878(2021年)→1.8(2022年)

英文誌(2004-)

Journal of Medical Ultrasonics

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2013 - Vol.40

Vol.40 No.Supplement

一般ポスター
産婦人科:症例Ⅱ

(S674)

3 vessel view観察による右大動脈弓スクリーニングの有用性について

the usefulness of right aortic arch screening by 3 vessel view observation

沖本 直輝, 延本 悦子, 早田 桂, 井上 誠司, 瀬川 友功, 増山 寿, 平松 祐司

Naoki OKIMOTO, Etsuko NOBUMOTO, Kei HAYATA, Seiji INOUE, Tomonori SEGAWA, Hisashi MASUYAMA, Yuji HIRAMATSU

岡山大学大学院医歯薬学総合研究科産科婦人科学教室

Department of Obsterics and Gynecology, Okayama University Graduate School of Medicine, Dentistry and Pharmaceutical Sciences

キーワード :

【目的】
右大動脈弓は,単独の場合は出生後特に大きな問題となることは少ないが,他の心構造異常を合併する率が高いため,出生前にスクリーニングすべき対象と考えられる.出生前胎児心エコー検査で右大動脈弓をスクリーニングする場合,一般的に4 chamber view(以後4CV)にて下行大動脈が椎骨の右側を通っているかどうかを確認する.しかしながら椎骨に対して完全に垂直に超音波画面を構築できていない場合や,椎骨の左右いずれに下行大動脈が走行しているのか判断に苦慮するケースにしばしば遭遇する.右大動脈弓においては上行大動脈の方が下行大動脈に比べてより右に変位していることから3vessel view(以後3VV)における右大動脈弓の特徴について後方視的に検討を行った.
【対象および方法】
2011年4月から2012年12月までの期間で当院で施行した胎児心エコー検査で右大動脈弓と診断された6例について,4CVおよび3VVの所見を検討した.
【結果】
6例中2例が4CVで下行大動脈が椎骨中央やや右寄りの走行をしていた.一方3VVでは正常例では主肺動脈−上行大動脈−下大静脈の間隔がほぼ等間隔であったのに対し右大動脈弓では全例主肺動脈と上行大動脈の間が通常より開いており,さらに下行大動脈は4CVで観察するよりさらに椎骨右側を走行していた.3vessel trachea viewで気管の右側を大動脈が走行していることを確認して右大動脈弓と診断,出生後確認し全例右大動脈弓と診断された.
【結論】
3VVにおいて主肺動脈と上行大動脈の距離を観察することでより確実な右大動脈弓のスクリーニングが可能になると思われる.