Online Journal
電子ジャーナル
IF値: 1.878(2021年)→1.8(2022年)

英文誌(2004-)

Journal of Medical Ultrasonics

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2013 - Vol.40

Vol.40 No.Supplement

一般ポスター
消化器:消化器・その他

(S657)

当医院における混合型IPMNの5症例の検討

Review of mixed type IPMN (5cases) in our clinic

岡 啓嗣郎

Keishirou OKA

岡医院内科

内科, 岡医院

キーワード :

【はじめに】
嚢胞性疾患,特に嚢胞性腫瘍は画像診断や病理学の進歩,臨床経験の積重ねによりその分類が確立されつつある.嚢胞性腫瘍は真性嚢胞に属し一般にIPMN,MCN,SCNに分類され,IPMNはさらに主管型,分枝型,混合型IPMNに分類される.当医院におけるIPMN21症例中の混合型IPMNの5症例について検討した.
【目的】
混合型IPMNの経過及び予後について知る目的で行った.
【対象】
当医院のIPMN21例中の混合型IPMN5例について検討した.
【結果】
混合型IPMNの主な合併する診断名は糖尿病,慢性膵炎であった.年齢は63才〜95才であった.5例中4例は女性であった5例中4例に発癌がみられた.4例共,高齢の女性であった.膵癌3例原発巣不明癌1例であった.3例は癌死であった.1例は膵頭部癌で膵頭十二指腸切除を受け,術後3年経過良好であり観察中である.残る1例は糖尿病罹患の男性である.
【考察】
当医院における混合型IPMNはIPMNの中では分枝型IPMNに次いで多く総IPMN21例中5例であった.女性に多く高齢者に多かった.癌の発生は5例中4例であった.糖尿病,慢性膵炎がみられる時や心窩部痛,心窩部不快感,上腹部痛,背部痛,嘔気等の症状がみられる時は内視鏡検査や血液検査のみでなく積極的に腹部超音波検査,腹部C.T検査,MRCPを含めたMRI等の画像診断を行い主管拡張や大小の嚢胞の発見に努める.混合型IPMNとの診断に至ったら厳重な経過観察を行い癌の早期発見,早期治療に努める必要がある.
【おわりに】
混合型IPMNとの診断後は癌発生率が高いので定期的な膵臓関連の血液検査や腹部超音波検査等の画像診断を行い,癌の早期発見,早期治療に努める必要がある.