大谷 直由¹, 豊田 茂¹, 天野 裕久¹, 有川 拓男¹, 岡部 龍太², 鈴木 圭輔², 竹川 英宏², 髙田 悦雄³, 井上 晃男¹

Naoyuki OTANI¹, Shigeru TOYODA¹, Hirohisa AMANO¹, Takuo ARIKAWA¹, Ryuta OKABE², Keisuke SUZUKI², Hidehiro TAKEKAWA², Etsuo TAKADA³, Teruo INOUE¹

¹獨協医科大学心臓・血管内科, ²獨協医科大学神経内科脳卒中部門, ³獨協医科大学超音波センター

¹Cardiovascular Medicine, Dokkyo Medical University, ²Neurology Stroke Division, Dokkyo Medical University, ³Center of Medical Ultrasonics, Dokkyo Medical University

キーワード :

【目的】
CHADS2スコアは非弁膜症心房細動における塞栓症の危険性の指標であり，抗凝固療法開始の指標に用いられている．Virchowの三要素にあるように，血栓形成には血管内皮の障害，血流のうっ滞，凝固能の亢進が関係するといわれている．それゆえ，CHADS2スコアも血管内皮機能の障害と関連があると考え，今回，血管内皮機能とCHADS2スコアの関連について検討した．
【方法】
対象は当院に循環器疾患精査目的で来院した外来患者及び入院患者159例（平均年齢65.9歳，男性114例）である．各患者においてCHADS2スコアを算出し，上腕動脈エコー法において血流依存性血管拡張反応（Flow-mediated dilation, FMD）を測定した．
【結果】
CHADS2スコア別に0点7例，1点36例，2点70例，3点40例，4点7例，5点0例であった．FMDはCHADS2スコア別に0点6.0±0.7％，1点5.5±2.5％，2点5.4±3.0％，3点5.2±2.7％，4点3.6±2.1％であり，CHADS2スコアが増加するにつれFMDは低下の傾向を示した．
【結語】
今回我々の検討おいてCHADS2スコアの増大と血管内皮機能障害との関連性が示唆された．