Online Journal
電子ジャーナル
IF値: 1.878(2021年)→1.8(2022年)

英文誌(2004-)

Journal of Medical Ultrasonics

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2013 - Vol.40

Vol.40 No.Supplement

一般ポスター
基礎:デバイス・診断システムⅡ

(S636)

プロテックスの探触子消毒に対する効果判定

The effect of “Protex” for disinfection of the ultrasound probe

鯉渕 晴美, 津田 恭子, 紺野 啓, 小谷 和彦, 藤井 康友, 神田 美穂, 宮本 倫聡, 松永 宏明, 谷口 信行

Harumi KOIBUCHI, Kyoko TSUDA, Kei KONNO, Kazuhiko KOTANI, Yasutomo FUJII, Miho KANDA, Michiaki MIYAMOTO, Hiroaki MATSUNAGA, Nobuyuki TANIGUCHI

自治医科大学臨床検査医学

Department of Clinical Laboratory Medicine, Jichi Medical University

キーワード :

【背景】
超音波探触子を確実に消毒する手法はアルコール清拭であるが,この手法では探触子の劣化が早まることが我々のこれまでの研究で明らかにされている.一方海外で発売されている消毒液(商品名プロテックス,パーカー社製)は強い殺菌作用があるものの,探触子への影響は少ないと考えられている.
【目的】
今回の研究の目的はプロテックスの消毒効果について,アルコールによると比較するものである.
【方法】
①使用探触子:セクタ型探触子(日立アロカ社製)3本②被験者:当院臨床検査部技師28名(男性10名,女性18名,平均年齢44.2歳,24から62歳).本研究は自治医科大学疫学研究倫理審査委員会の承認を得ており,被験者に対して十分に説明を行い同意書を文面で得た.③手法:被験者の腹部を,同時に3本の探触子で超音波検査の模擬走査を10分間行った.その後3本の探触子をそれぞれ,ペーパータオルで拭くのみ,ペーパータオルで拭いた後アルコール含有紙(商品名ショードック,白十字社製)で拭く,ペーパータオルで拭いた後プロテックスワイプで拭く,という処置を行い,処置後の探触子を血液寒天培地(日水製薬社製)に押し当て,その培地を35度96時間培養した.再現性をもたせるために同じ検査を被験者一人当たり5回行った.コロニーのカウントは培養開始24時間後と96時間後に行い,96時間後に培地に増殖したコロニー数(5回の平均)をCFUで表し統計に用いた.得られたデータはDr. SPSS (エスピーエスエス社製) を用いて分析した.消毒効果の判定は分散分析(analysis of variance [ANOVA] ) とTukey’s testを用いp<0.01を有意とした
【結果】
ペーパータオルのみで拭き取った探触子からは平均66.0 CFU/probe,アルコール含有紙で拭き取った探触子からは平均5.58 CFU/probe,プロテックスで拭き取った探触子からは平均0.26 CFU/probeの細菌が検出された.ペーパータオルで拭き取った群より,アルコールで拭き取った群,プロテックスで拭き取った群の方が有意に探触子に付着しているコロニー数が少なかった.またアルコールで拭き取った群とプロテックスで拭き取った群のコロニー数に有意差はなかった.
【考察】
プロテックスはペーパータオルで拭き取るよりも有意に探触子に付着する細菌を減少させ,消毒効果があると考えた.また,アルコールと同等の消毒効果があると考えられた.