Online Journal
電子ジャーナル
IF値: 1.878(2021年)→1.8(2022年)

英文誌(2004-)

Journal of Medical Ultrasonics

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2013 - Vol.40

Vol.40 No.Supplement

一般口演
体表臓器:甲状腺・リンパ節

(S613)

膠原病の関節炎における腋窩リンパ節の超音波性状に関する検討

Ultrasonic Characterization of Axillar Lymph Nodes in Association with Grade of Arthritis in Connective Tissue DiseaseDisease

岸 潤1, 中川 摩耶2, 河野 弘1, 西尾 進2, 平田 有紀奈2, 山田 博胤2, 佐田 政隆2, 西岡 安彦1

Jun KISHI1, Maya NAKAGAWA2, Hiroshi KAWANO1, Susumu NISHIO2, Yukina HIRATA2, Hirotsugu YAMADA2, Masataka SATA2, Yasuhiko NISHIOKA1

1徳島大学病院呼吸器・膠原病内科, 2徳島大学病院超音波センター

1Department of Respiratory Medicine & Rheumatology, Tokushima University Hospital, 2Ultrasound Examination Center, Tokushima University Hospital

キーワード :

【背景】
関節炎は各種膠原病で高頻度に認められる臨床症状で,関節炎が主体の膠原病が関節リウマチである.関節リウマチの関節炎の画像的な評価方法として関節超音波検査が普及しつつある.膠原病ではリンパ節腫脹を認めることがあるが,関節炎を認める膠原病患者の腋窩リンパ節腫脹の臨床的意義についての検討は少ない.我々は超音波検査を用いて,腋窩リンパ節の性状と関節炎との関連について検討した.
【方法】
超音波検査を施行した関節症状のある膠原病患者連続102例(平均年齢52±14歳,男性8例)を対象とした.その内訳は,関節リウマチ69例,リウマチ性多発筋痛症5例,強皮症5例,全身性エリテマトーデス4例,その他19例であった.日立アロカ社製HI VISION Preirus,高周波リニアプローブL75を使用して,手指・手首・肩関節および腋窩リンパ節の断層およびドプラエコー検査を行った.日本リウマチ学会の関節エコー撮像法のガイドラインに基づき,各関節の血流をパワードプラ法によるflow mappingを用いて4段階に分類し,グレード0〜4をそれぞれ0〜4点としてスコアリングした.腋窩リンパ節の腫脹の有無(短径10mm以上を腫脹あり)および,腋窩リンパ節内の血流の有無で4群に分類し,同側の各関節におけるflow mappingスコアを比較した.
【結果】
手指関節のflow mappingスコアは,リンパ節腫脹かつリンパ節内の血流を認める群において,腫脹と血流ともに認めない群,腫脹のみを認める群と比較して有意に大であった.手首関節のflow mappingスコアは,リンパ節腫脹とリンパ節内の血流を認める群において腫脹と血流ともに認めない群と比較して有意に大であり,リンパ節内の血流のみを認める群において腫脹と血流ともに認めない群と比較して有意に大であった.肩関節のflow mappingスコアは,4群間で有意差を認めなかった.上肢総関節のflow mappingスコアは,リンパ節腫脹とリンパ節内の血流を認める群において,腫脹のみを認める群,腫脹と血流ともに認めない群と比較してそれぞれ有意に大であった.
【結語】
関節のflow mappingスコアはリンパ節腫脹とリンパ節内の血流に伴い高値となる傾向があり,関節炎の病勢を反映していると考えられた.