Online Journal
電子ジャーナル
IF値: 1.878(2021年)→1.8(2022年)

英文誌(2004-)

Journal of Medical Ultrasonics

一度このページでloginされますと,Springerサイト
にて英文誌のFull textを閲覧することができます.

cover

2013 - Vol.40

Vol.40 No.Supplement

一般口演
産婦人科:妊娠・分娩

(S586)

3次元超音波検査を用いた妊娠初期における子宮,胎児,胎嚢及び胎盤についての検討

Three-dimensional ultrasound volume calculation and power Doppler quantification of uterus, fetus, gestational sac and placenta in the early pregnancy

田中 和東, 西沢 美奈子, 田坂 玲子, 三田 育子, 本久 智賀, 中村 博昭, 中本 收, 出口 昌昭

Kazuharu TANAKA, Minako NISHIZAWA, Reiko TASAKA, Ikuko MITA, Chika MOTOHISA, Hiroaki NAKAMURA, Osamu NAKAMOTO, Masaaki DEGUCHI

大阪市立総合医療センター産科

Obstetrics, Osaka City General Hospital

キーワード :

【目的】
3次元超音波診断装置では体積の測定が可能で,power Doppler法を併用することで,血流の数値化が可能である.今回我々は妊娠初期における子宮,胎児,胎嚢及び絨毛膜有毛部もしくは胎盤について3次元超音波検査を用いその有用性を検討した.
【方法】
2012011年9月から2012年6月までに当院を受診した単胎妊婦40例を対象とした.年齢は18歳から46歳(中央値:30歳),施行時期は妊娠8週から妊娠17週(中央値:妊娠12.3週)で,1回から4回(中央値:3回)検査を施行した.Voluson E8 Expert及びRM6Cプローブ(2-6MHz)を用いPower Doppler法併用下に3次元超音波検査後データ保存し,VOCAL(Virtual Organ Computer-Aided Analysis)を用いて,体積,VI及びFIを算出した.子宮,胎児頭部,胎児頭部,胎児体幹部,胎嚢及び,絨毛膜有毛部もしくは胎盤における,妊娠週数と体積,VI及びFIについて回帰分析を行った.
【成績】
妊娠週数と体積の検討では,子宮(r=0.93,p<0.0001),胎児頭部(r=0.98,p<0.0001),胎児体部(r=0.98,p<0.0001),胎児(r=0.98,p<0.0001),胎嚢(r=0.98,p<0.0001),絨毛膜有毛部もしくは胎盤(r=0.89,p<0.0001)で相関を認めた.妊娠週数とVIでは子宮(r=0.52,p<0.0001),胎嚢(r=0.54,p<0.0001)で,妊娠週数とFIでは子宮(r=0.46,p<0.0001),胎児体部(r=0.44,p<0.0001),胎児(r=0.44, p<0.0001),胎嚢(r=0.43,p<0.0001)で相関を認めた.
【結論】
3次元超音波検査は,妊娠初期の子宮,胎児,胎児頭部,胎児体部,胎嚢及び絨毛膜有毛部もしくは胎盤における体積測定,子宮及び胎嚢におけるVI測定とFI測定,胎児及び胎児体部におけるFI測定において有用である.