Online Journal
電子ジャーナル
IF値: 1.878(2021年)→1.8(2022年)

英文誌(2004-)

Journal of Medical Ultrasonics

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2013 - Vol.40

Vol.40 No.Supplement

一般口演
消化器:胆のうⅠ

(S539)

腹部エコーにて下部胆管(胆管末端部)の動きの観察できた2例

Ultrasound finding of Movement of the lower bile duct

伊集院 裕康, 厚地 伸彦, 神山 拓郎

Hiroyasu IJUIN, Nobuhiko ATUTI, Takurou KAMIYAMA

天陽会中央病院内科

Internal medicine, Tenyoukai Chuou hosupital

キーワード :

十二指腸乳頭部は胆管からの胆汁排出の調節機能として重要である.従来行われている機能検査には内視鏡的膵胆管造影後 造影剤の流出形式 胆道内圧の測定があるが侵襲的である.今回腹部エコーにて下部胆管の動きの確認できた2例を経験したので報告する.
症例1 88歳女性.心不全にて入院中の患者.軽度アミラーゼ上昇(149IU/l)あり腹部エコー検査を行った.使用機種はLOGIQS8使用リニアプローべを用いた.総胆管は軽度拡張(11mm)認め膵のう胞も認めた.下部胆管の病変の有無を調べるために乳頭部近くの胆管を輪切りに観察すると胆管内腔が星型多角形に描出された.しばらくそこを観察していると急激に内腔が縮みゆっくりと広がる様子が観察された.その後同じような下部胆管動きの観察患者さんには出会えなかった.
症例2 81歳女性.胆嚢摘出冠動脈バイパス術後.心窩部痛あり.採血にて軽度アミラーゼ上昇あり.炎症反応肝機能異常はみとめず.腹部エコーにて軽度胆管膵管拡張あり.下部胆管は閉まったまま開かなかった.本人の承諾を得て総合栄養剤(エンシュアリキッド)100ml内服直後に再度下部胆管を観察すると下部胆管が開き乳頭部に円形の低エコーが出現した.十二指腸乳頭部は胆管からの胆汁排出の調節機能として重要である.特に胆管末端の筋が発達しているようである同部を腹部超音波検査で下部胆管の動きが観察でき興味深いと思われ報告する.