Online Journal
電子ジャーナル
IF値: 1.878(2021年)→1.8(2022年)

英文誌(2004-)

Journal of Medical Ultrasonics

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2013 - Vol.40

Vol.40 No.Supplement

一般口演
消化器:肝癌Ⅰ

(S532)

B-Flow Colorによる造影効果の検証

Verification of the contrast enhancement by the low MI B-Flow Color imaging

橋本 浩, 加藤 生, 佐藤 直人

Hiroshi HASHIMOTO, Sei KATO, Naoto SATO

GEヘルスケア・ジャパン株式会社超音波製品開発部

Ultrasound General Imaging Japan, GE Healthcare Japan Corporation

キーワード :

【目的】
Sonazoid造影検査は,実質染影が早く,血管像がすぐに見えなくなってしまうという問題が提起されている.以前の本学会にてB-Flow Color(以下,BFC)をLow MI設定することにより造影検査において肝実質内が染影された後でも血管構築の観察が可能であったという報告がなされた1).今回,技術側からの検証を試みたので報告する.
【方法】
グラファイト入り寒天に穴を開けたフローファントムを作成し,MI値を下げた状態でSonazoid希釈液を流して弊社LOGIQ 7のBFC,カラードプラ(CFM)と比較を行った.
【結果】
MI値,PRFを同様に設定して比較したところ,いずれのモードでもフローを確認することが可能であった.しかし,CFMはゲイン設定によっては,はみ出しが大きく,やや太めだった.また,MI値を上げていくと,いずれのモードでも気泡の破壊によるものと思われるノイズが発生したが,通常の造影音圧設定では,そのようなノイズは観察されなかった.
【考察】
BFCではCoded Excitationを使用しており2)3),復号処理によってCFMよりパルス長が短くなり,S/Nの良い受信信号を得ることが出来るため,CFMと比べて空間分解能が良くなっていると考えられる.また,BFCは動きの少ない信号を抑制しているため,Perfusionが描出されず,実際に流れている部分だけを描出できているようである.これらの結果から,Low MIに設定してBFCを使用した場合,Sonazoidが単純な血流信号増強剤として働いているのではないかという結論に達した.また,副産物としてではあるが,背景のBモード画像がPhase Inversion Harmonic Imagingであるため,組織染影を含む,通常の造影画像表示も同時に可能であった.実際の臨床画像を見せていただいたところ,造影剤投与前のLow MI BFCでは,ほとんど血流が検出できないが,投与後は信号が増強され,かつ,顕著な気泡崩壊は見られず,組織染影とFlowを弁別することが可能であった.今後,造影モードとして採用するため,詳細を検討していきたい.
【参考文献】
1)“Sonazoidを用いた造影超音波検査におけるB-Flow使用の意義”, 高安賢太郎ら(駿河台日大 内), p63, 2011, 日本超音波医学会 関東甲信越地方会第23回学術集会/第1回新人賞口演,2012, 日本超音波医学会 第85回学術集会
2)“B-Mode Blood Flow (B-Flow) Imaging”, R.Y.Chiao et al., 2000 IEEE Ultrasonics Symposium3) “B-Flow Colorとその臨床画像”, 佐藤直人,19(1), 2006, Neurosonology