Online Journal
電子ジャーナル
IF値: 1.878(2021年)→1.8(2022年)

英文誌(2004-)

Journal of Medical Ultrasonics

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2013 - Vol.40

Vol.40 No.Supplement

一般口演
消化器:ナビゲーションシステム

(S506)

Volume Navigation systemを用いたRFA治療と新しい治療支援装置VirtuTRAXの使用経験

Efficacy RFA for HCC using Volume Navigation system and initial experience using the new treatment support system ‘Virtu TRAX’

町田 卓郎, 目黒 高志, 堀田 彰一

Takuro MACHIDA, Takashi MEGURO, Syoichi HORITA

北海道消化器科病院内科

Internal Medicine, Hokkaido Gastroenterology Hospital

キーワード :

【目的】
近年,CT, MRIなどの画像情報を超音波画像と同期させ,リアルタイムに表示することができるMultimodality fusion Imagingが開発され,特に肝腫瘍に対するRFA治療において,その有用性が報告されている.当院では2010年9月より,Multimodality fusion imaging機能であるVolume Navigation system(V-Navi)を搭載した超音波診断装置LOGIQ E9を導入し,肝細胞癌のRFA治療に利用している.さらに,2012年10月より,V-Naviの新しい治療支援機能であるVirtuTRAXTM(V-TRAX)を導入した.これは,汎用の針の手元に専用のセンサーをつけることで,仮想の針先の位置をLive画像上に投影できる機能である.この新しい技術は,USガイド下治療をより安全に施行するための手助けになると思われる.今回,我々は,V-Naviを併用し,RFAを施行した肝細胞癌症例について検討したので,若干の文献的考察を含めて報告する.また,V-TRAXも経験したので動画にて供覧したい.
【方法】
当院では2010年9月より,V-Naviを搭載した超音波診断装置LOGIQ E9を導入した.2010年9月から2012年10月までに当院にてRFAを施行したHCCは76結節であった.その内,B-modeのみで治療したのは23結節,V-Naviを使用しRFAを施行した53結節(治療回数は40回)に対するHCC症例について,平均セッション数,合併症などを検討した.6症例6結節に対し,V-TRAXを用いてRFAを施行した.
【結果】
B-modeのみで治療した症例の平均腫瘍径は14.8mm(8-40mm),平均セッション数は1.04回であった.合併症は遅発性腸管穿孔を1例に認めた.RFA後残存・再発病変に対しTACEを施行した症例は1例,高齢のため治療継続が困難となった症例が1例であった.V-Naviを併用しRFAを施行した症例の平均腫瘍径は15mm(8-29mm),平均セッション数は1.09回であった.合併症は門脈血栓症を1例に認めた.RFA後の再発,残存病変に対し,追加切除したものが1例,TACEを施行したものが2例,高齢のため治療の継続が困難となったもの1例であった.V-Naviを使用した理由は,B-modeで視認が困難でありV-Naviにて確認したものが20回(50%),B-modeでもV-Naviでも視認困難,または視認できなかったもの5回,B-modeにて視認できるが確認のため使用したもの15回であった.
【考察】
V-Naviを使用してRFAを施行する症例は一般的にB-modeで視認困難であったり,または視認できないものも含まれいてるが,B-modeのみで治療した症例と比較してもその治療成績に差は認められなかった.B-modeにて描出不良な結節はもちろん,B-modeにて描出可能であった病変についても,他のmodalityの画像を同時にreferenceすることで,周囲の臓器,血管情報が把握しやすくなり安全に治療が可能であった.V-Naviは肝癌局所治療において,有用であると考えられた.VirtuTRAXは仮想の針先の位置を確認できるため,焼灼中の針の移動などがわかりやすく,針先の位置の調整が容易であった.