Online Journal
電子ジャーナル
IF値: 1.878(2021年)→1.8(2022年)

英文誌(2004-)

Journal of Medical Ultrasonics

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2013 - Vol.40

Vol.40 No.Supplement

一般口演
循環器:心筋症

(S481)

右室穿孔により死亡した蛸壺型心筋症の一例

Right Ventricular Rupture in Takotsubo Cardiomyopathy: a Case Report

前羽 宏史, 宮坂 陽子, 辻本 悟史, 諏訪 惠信, 塩島 一朗

Hirofumi MAEBA, Youko MIYASAKA, Satoshi TSUJIMOTO, Yoshinobu SUWA, Ichirou SHIOJIMA

関西医科大学第二内科循環器内科

Division of Cardiology, Department of Medicine II, Kansai Medical University

キーワード :

症例は84歳女性.主訴は意識消失発作.非代償性心不全,肝腎障害により入院.心電図上,巨大陰性T波を認め,心エコー検査では,両室心室中部から心尖部にかけてballooningを認めた.PDEIII阻害剤,利尿剤投与では改善せず,入院2日目よりCHDFを導入し,心不全兆候は消失した.入院14日目の時点では,肝腎機能は正常化し,両室ballooningも左室心尖部の一部を除きほぼ正常化したことを確認していた.しかし,同日,特に前兆なく,心室頻拍,心室細動を経て心停止に至り,心肺蘇生に反応することなく死亡退院となった.病理解剖ではACSを示唆する所見はなく,この時点で臨床経過も含め両室型の蛸壺型心筋症と診断.右室前面に血性心嚢水を伴い,右室壁に5mmの穿通孔を認めたため,死因はこれによる心タンポナーデと判定した.蛸壺型心筋症に伴う右室穿孔は非常に稀であるため,ここに若干の文献的考察を踏まえて報告する.