Online Journal
電子ジャーナル
IF値: 1.878(2021年)→1.8(2022年)

英文誌(2004-)

Journal of Medical Ultrasonics

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2013 - Vol.40

Vol.40 No.Supplement

一般口演
循環器:左心機能Ⅰ

(S459)

左室拡張能と左房収縮能との連関:EFの保たれた心不全における検討

The Relation between Left Atrial Systolic Function and Left Ventricular Performance in Heart Failure with Preserved Ejection Fraction

林 英宰, 川野 成夫, 三嶋 正芳

Eisai RIN, Shigeo KAWANO, Masayoshi MISHIMA

河内総合病院心臓血管センター

Cardiovascular Center, Kawachi General Hospital

キーワード :

【背景】
EFの保たれた心不全(HFPEF)の病態は必ずしも明らかではない.一方,組織ドプラ法から得られた僧帽弁輪部心房収縮速度波(A’)が左房収縮能を反映すると報告されている.
【目的】
HFPEFで左房収縮能が保たれているかをA’から検討し,左室拡張能との関係を明らかにすること.
【方法】
対象は急性うっ血心不全でCCUへ入院した327例.入院時左室駆出率が50%以上で,その後外来で6ヶ月以上安定しているものをHFPEF群(n=36)とした.心症状のない左室駆出率が50%以上の高血圧患者連続30例をコントロール群とした(Gr-C).慢性期にA’,E’,E/E’,左房径(LAD),左室径(LVDd)を測定した.HFPEF群をA’の値により,左房機能良好群(Gr-G: A’>_6cm/s, n=25)と左房機能不良群(Gr-P: A’<6cm/s, n=11)の2群に分類した.
【結果】
1.コントロール群に比しHFPEF群で,A’は低値を示した.(A’: 6.8±2.0 vs.8.5±1.8 cm/s, p<0.05).2. HFPEF群 でA’とE/E’の間に有意な負の相関を認めた(y=10.9-0.2x, r=-0.46, p<0.01).3. Gr-Pで他の2群に比し,A’とE’は最も定値を示し,E/E’,LAD,LVDdは最も高値を示した(表).
【結論】
HFPEF群では,左室拡張能の低下に伴う左室充満圧の上昇により,左房機能も低下する.このことがA’の低下により推論された.