Online Journal
電子ジャーナル
IF値: 1.878(2021年)→1.8(2022年)

英文誌(2004-)

Journal of Medical Ultrasonics

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2013 - Vol.40

Vol.40 No.Supplement

一般口演
基礎:歪みイメージング

(S427)

3次元Elastographyにおける圧迫によるアーチファクトの補正に関する検討

Correction of external pressure artifact for the three dimensional Elastography

猪上 慎介, 辻田 剛啓, 脇 康治, 藤井 信彦, 林 哲矢, 村山 直之

Shinsuke INOUE, Takehiro TSUJITA, Kouji WAKI, Nobuhiko FUJII, Tetsuya HAYASHI, Naoyuki MURAYAMA

日立アロカメディカル株式会社第二メディカルシステム技術本部

Medical Systems Engineering Division 2, Hitachi Aloka Medical, Ltd.

キーワード :

【はじめに】
Real-time Tissue Elastography(*)(以下Elastographyと略す)は,超音波を用いて組織の弾性特性を画像化する手法であり,乳腺・甲状腺をはじめとした多くの領域で使用されている.
前回,我々は硬さの広がりを3次元的に観察可能な3次元Elastographyを開発し,報告[1]した.
今回,3次元Elastographyにおける圧迫手技に起因する波状アーチファクトの低減を目的とし,短軸画像の段差を補正する手法に関して検討したので報告する.
【検討内容】
軟らかい素材の中に,内径約10[mm]の硬い円柱状の素材を内包させたファントムを被検体とし,3[mm]程度の振幅で圧迫を繰り返し,試作機とリアルタイム3D用リニア形探触子 EUP-LV74によりデータを取得した.
3次元スキャンにおけるひずみデータの累積情報を時間方向に保持し,累積情報に対しトレンド除去処理を行った結果から,同一変位レベルのフレームを抽出した.抽出したフレームを用いて補間し,白黒ボリュームデータを再構築することで段差補正を行った.
【結果】
図1(a)は段差補正を適用せず構築した白黒ボリュームデータのBプレーン画像,図1(b)は段差補正を適用し構築したBプレーン画像である.図1(a)では,ファントム境界部において,圧迫手技による波状アーチファクトが目立った.図1(b)では,波状アーチファクトが段差補正により低減され,視認性が向上した.
【まとめ】
ひずみデータの累積情報を用いて,圧迫手技による短軸画像の段差を補正する手法を検討し,その効果を確認した.
本手法により,3次元Elastographyの手技特有の波状アーチファクトが軽減でき,視認性の高いMPR画像や3次元画像を提供できるものと考える.
【参考文献】
[1]猪上 他, 日超医第84回学術集会論文集,Vol.38,p.S311(2011)
※Real-time Tissue Elastographyは株式会社日立メディコの日本の登録商標です.