Online Journal
電子ジャーナル
IF値: 1.878(2021年)→1.8(2022年)

英文誌(2004-)

Journal of Medical Ultrasonics

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2013 - Vol.40

Vol.40 No.Supplement

一般口演
基礎:画像

(S421)

超音波画像を基にしたNURBS曲面による舌表面の3次元動画化

Ultrasound Image Based 3D Animation of Tongue Surface by Using NURBS Surface

近藤 貴大1, 向井 信彦1, 森 紀美江2, 山下 夕香里2, 武井 良子2, 長谷川 和子2

Takahiro KONDO1, Nobuhiko MUKAI1, Kimie MORI2, Yukari YAMASHITA2, Ryouko TAKEI2, Kazuko HASEGAWA2

1東京都市大学知識工学部情報科学科, 2昭和大学歯科病院口腔リハビリテーション科

1Faculty of Knowledge Engineering Department of Computer Science, Tokyo City University, 2Department of Oral Rehabilitation, School of Dentistry, Showa University

キーワード :

【目的】
舌が口蓋ほぼ全面に接触した状態で舌側縁と臼歯部で作られる歪み音のことを側音化構音(Lateral Articulation,以下LA)と言い,主として聴覚判定によって診断されるが,舌の運動解析はあまり行われていないため,病態の詳細は明らかになっていない.本稿では,舌の動態解明を行うために,健常者に対する超音波画像を基にNURBS(Non-Uniform Rational B-Spline)曲面を用いて舌表面の3次元動画化を行ったので,その成果について報告する
【対象画像と処理手法】
舌の断面画像19枚を対象とし,ヒストグラム解析,2値化,領域抽出などの画像処理手法を適用して,舌の表面部分を抽出する.次に,抽出された舌表面上の点を選択し,選択された点を用いてNURBS曲面を生成して舌表面の3次元化を行う.さらに,この処理を時系列的に行い,時間軸に沿った舌表面の形状を線形補間することで動画化を行う.
【結果と考察】
提案手法を適用することで滑らかな舌表面の3次元形状を構築することができた.舌の表面形状は,基になった超音波画像における舌表面の形状を反映して滑らかな凹凸を示している.また,構築された舌表面の3次元形状データを時系列的に線形補間することにより,動画化を可能とした.ただし,撮影された超音波画像は19枚であり,また舌の端部分は画像が不明瞭であるため,舌表面の形状を正しく構築できていない箇所も存在する.
【結論】
本手法により超音波画像を基にした舌表面の3次元形状の構築および,舌表面の動画化が可能となった.今後は健常者だけでなくLA症例者の超音波画像を基に舌表面の3次元化および動画化を行うことで,LA症例の動態解明を行う予定である.