Online Journal
電子ジャーナル
IF値: 1.878(2021年)→1.8(2022年)

英文誌(2004-)

Journal of Medical Ultrasonics

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2013 - Vol.40

Vol.40 No.Supplement

特別プログラム 血管
パネルディスカッション10 <診療に活かす> 血管エコー検査ガイドラインを検証する

(S380)

血管エコーガイドラインを検証する:頸動脈

I inspect vascular echo guidelines: Carotid

小谷 敦志1, 濱口 浩敏4, 浅岡 伸光2, 天野 幾司3, 今西 孝充4, 北出 和史5, 久保田 義則6, 椿森 省二7, 松尾 汎8

Atsushi KOTANI1, Hirotoshi HAMAGUCHI4, Nobuaki ASAOKA2, Ikuji AMANO3, Takamitsu IMANISHI4, Kazushi KITADE5, Yoshinori KUBOTA6, Shouji TSUBAKIMORI7, Hiroshi MATSUO8

1近畿大学医学部附属病院中央臨床検査部, 2宝塚市立病院中央検査室, 3市立川西病院中央臨床検査部, 4神戸大学医学部附属病院臨床検査部, 5大阪警察病院臨床検査部, 6国立循環器病研究センター生理機能検査部, 7ハイメディッククリニックWEST臨床検査部, 8松尾クリニック

1Department of Clinical Laboratory, Kinki University Hospital, 2Department of Clinical Laboratory, TAKARAZUKA CITY HOSPITAL, 3Department of Clinical Laboratory, KAWANISHI CITY HOSPITAL, 4Department of Clinical Laboratory, KOBE University Hospital, 5Department of Clinical Laboratory, OSAKA Police hospital, 6Department of physiologic functions, National cardiovascular disease research center, 7Department of Clinical Laboratory, Himedic clinic WEST, 8President, Matsuo clinic

キーワード :

我が国の頸動脈超音波(以下,頸動脈エコー)検査ガイドラインは,2009年に日本超音波医学会(JSUM)より提唱された「超音波による頸動脈病変の標準的評価法」と,2006年に日本脳神経超音波学会・栓子検出と治療学会合同ガイドライン作成委員会(JAN)による「頸部血管超音波検査ガイドライン」の2つが作成されている.両者の内容は大まかには似通っているものの一部相違があり,なかには評価方法の違いから結果が異なる項目もある.そのため,検査結果の解釈には,どちらのガイドラインを基準にしたかを明確にしないといけない.一方で,各ガイドラインの捕捉や留意点が記載されている評価項目も存在するため,実際の検査施行にあたっては,どちらか一方のガイドラインではなく,両ガイドラインを参考にすることで,より信頼性の高い結果が得られる.本項では両ガイドラインを項目毎に比較し,それぞれの相違点を確認する.当研究会は2010年5月に日本超音波医学会・血管超音波検査士,血管診療技師認定機構・血管診療技師が在籍する全国61施設を対象にアンケートを行い,それぞれの施設での頸動脈エコーの検査内容を調査し,その結果を第84回日本超音波医学会学術集会(品川)パネルディスカッションで報告した1).回収率は80.3%であり,得られた結果から各施設で検査項目ごとに両ガイドラインを使い分けている現状が明らかになった.また,重要な問題として,頸動脈エコーが様々な科から依頼されていることを踏まえ,各施設においてデータの有用性や妥当性などから評価項目を選別し,独自のスクリーニング検査項目を作成しているという実情も判明した.両ガイドラインはいずれも計測・評価に必要な基準を網羅しているため当然必要な指針ではあるが,実診療の現場においてはガイドラインを元にした,各施設の立場に応じた最適な計測・評価方法を改めて検討する必要がある.当研究会では新たに,2つの検査ガイドラインを参考とし,実臨床に即した手順マニュアルを,各施設と協力のもと「頸動脈エコースクリーニング基本的検査項目と手順」(案)として策定したので,併せて紹介する.
1)小谷敦志,浅岡伸光,久保田義則,椿森省二,天野幾司,三木 俊,北出和史,今西孝充,濱口浩敏,松尾 汎,OSAKA血管エコー研究会:シンポジウム 頸動脈エコーガイドラインの現状と国内広域調査から得られたスクリーニング評価の実際 第84回日本超音波医学会学術集会(品川) 2011年5月27-29日