英文誌(2004-)
特別プログラム 腎泌尿器
コントラバーシ2 <診療に活かす> 腎腫瘍診断のベストは? :US vs CT/MR
(S347)
透析腎癌検出のための超音波(US)検査の有用性
Ultrasonographic examination for the detection of RCC in hemodialysis patients
尾上 篤志1, 秋山 隆弘2
Atsushi ONOUE1, Takahiro AKIYAMA2
1髙橋計行クリニック超音波室, 2堺温心会病院泌尿器科
1Takahashi Kazuyuki Clinic, ultrasound labatory, 2Sakai Onshinkai hospital, Department of Urology
キーワード :
透析腎に腎癌が高率に発生することは良く知られており,その発生率は1〜6%と考えられる.そのため長期透析患者の多いわが国においては,早期診断は重要な課題であり超音波検査が果たす役割は大きい.実際われわれが透析施設に対して行ったアンケート調査の結果では回答が得られた54施設のうち98%の施設でスクリーニング検査が施行されており最も多かったのはCTとUSを組み合わせて行っている施設が49%,次がUS単独で30%で,次がCT単独で9%であった.この結果から多くの透析施設で腎癌の拾い上げ検査としてUSが用いられていることから,小さな腎癌を効率よく検出し診断することは重要な課題となる.そこで本講演ではⅠ:透析腎癌のUSにおける特徴とスクリーニングによる診断法Ⅱ:嚢胞性腫瘤の鑑別診断Ⅲ:造影US法について,特に造影US法の有用性を中心にCT/MRとは異なる評価法としての優位性について言及したい.