種村 正

Tadashi TANEMURA

心臓血管研究所臨床検査室

Clinical Laboratory, The Cardiovascular Institute

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当院は循環器専門病院であり研究機関でもある．現在，臨床検査室には24人が配属されている．そのうち生理検査は14人で，心エコーを行うことができる技師は8人である．他に超音波専門医2人と共に業務を行っている．新人が配属されるのは新入職員とローテーションの2パターンがあるが，その度に指導者を決めて教育を行っている．実際には患者に2名で検査を行うことを説明し，新人と指導者が交替して検査を行い，両者の画像や計測値を比較しながら教育を進め，約1年間で独り立ちできるようにしている．
教育カリキュラム・心エコーに配属前　新入職員にせよ，ローテーンションによ，心エコーに配属する前に心電図検査，運動負荷試験，ホルター検査などの生理検査をある程度できるようにする．
・心エコーに配属後〜1ヶ月　装置のセッティング，患者誘導，検査見学が中心．まず超音波検査に慣れて貰う．専門用語，略語，疾患の病態生理を覚える．職員を対象に自主トレを行い，プローブ走査や装置の操作法を覚える．
・1〜2ヶ月　検査見学，自主トレが中心．検査の流れや計測法を覚える．複数の先輩の画像を見て，綺麗な画像とはどのようなものかを理解する．正しい軸という概念をマスターする．
・2〜3ヶ月　所見のない患者を検査する．指導者がすべて撮り直し，画像，計測値を比較する．最初は断層法から始め，Mモード法，カラー，パルス，連続波ドプラ法がと進めていく．
・3〜6ヶ月　所見のない患者を独りでできるようにする．虚血性心疾患や心筋症などの検査を行う．指導者は必要最小限を撮り直す．経食道エコーの補助ができるようにする．
・6ヶ月〜1年　特殊な症例以外は一通り検査できるようにする．弁膜症の定量評価ができるようにする．術中経食道エコーの補助ができるようにする．指導者はダブルチェックと撮り直しを減らしていく．
・1年以降　独りでどんな症例でも検査できるようにする．負荷エコー，冠動脈エコーなどの特殊検査ができるようにする．指導者のダブルチェックを終了する．
昔は特に教えなくとも見よう見まねで新人は育ったが，今は全てを教えないと育たない．しかし，その新人が数年後にはまた同じように後輩を育成してくれるだろう．多分．