Online Journal
電子ジャーナル
IF値: 1.878(2021年)→1.8(2022年)

英文誌(2004-)

Journal of Medical Ultrasonics

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2013 - Vol.40

Vol.40 No.Supplement

特別プログラム 循環器
パネルディスカッション15 <教育に活かす> 心エコーにおける生涯教育の現状と展望

(S240)

中堅技師に対する心エコー教育

How does a nucleus medical technologist improve the echocardiography technology?

仲宗根 出

Izuru NAKASONE

国立循環器病研究センター臨床検査部

National Cerebral and Cardiovascular Center, Department of clinical laboratory

キーワード :

新人技師の時期を過ぎ中堅技師となった技師はその検査室において中心的活動を行う技師となる.新人の時は教えてもらう教育であったが,中堅技師では自分自身で知識や技術を身に付けていく行動が必要となってくる.図1は日本超音波検査学会のホームページに掲載されている平成21・22年度同学会標準化委員会アンケート「超音波検査の現状について」より抜粋,改変したものであるが技師の心エコー教育の実際の一端と考えてよいであろう.このアンケート結果では心エコー教育は研修会への参加や他施設への研修によって行われているとする施設が76%で自施設内での心エコー教育が行われていない施設が殆どの様である.今回のパネルディスカッションでは我々の施設で行われてきた心エコー教育の方法を提示する.より多くの施設で自施設内心エコー教育への参考となれば幸いである.
中堅技師への心エコー教育方法の幾つかとその期待される効果を以下に示す.
1)先輩方が行ってくれた新人技師に対する心エコー講演を自らが行う.
講演を行う事により,さらなる知識の向上,知識の整理,プレゼン資料作成技術の習得,人前での発表経験などが培われていく.
2)テーマを与えられて行っていた研究活動を自分でテーマを見つけて行う.
研究テーマを自ら探すために客観的思考力が養われ,見つけたものが研究テーマとして妥当なものか否かを探るために文献参照など,テーマに関した情報収集により知識を深めていく.
3)超音波検査士の資格を取得する.
資格取得のために,日常業務ではおろそかになりがちな基礎原理などの知識の充実がはかられる.基礎原理は超音波検査の土台となるものであり装置の性能を最大限に引き出す為にも中堅技師にとって必要不可欠な知識となる.
4)上司のチェック無しで臨床に必要十分なレポートを作成出来るようにする.
超音波検査は決まったパターンで情報収集がなされるものではなく,検査の進行とともに得られた情報からその都度次の描出断面などを決定し疾患毎に必要とされる情報を収集していく検査である.レポートは得られた情報の総まとめの伝達手段であり必要十分な情報が含まれている必要がある.従ってレポートの作成は検査開始時点からすでに頭の中で始まっているべきもので,そのためには疾患に対する知識を常に更新する必要があり中堅技師の知識,技術の日々の向上がはかられる.