英文誌(2004-)
特別プログラム 領域横断
シンポジウム17 <治療に活かす> 体腔内超音波の現状と展望
(S167)
経食道心エコーの有用性
The Clinical Utility of Transesophageal Echocardiography
平田 久美子
Kumiko HIRATA
和歌山県立医科大学循環器内科
Cardiology, Wakayama Medical University
キーワード :
経食道心エコー検査(TEE)は,心血管を背側から観察する検査方法であり,体表からのアプローチと異なり,超音波探触子と心臓の間に肺や肋骨といった障害物がなく,高周波で詳細な観察が行えるのが特徴である.体表からは観察困難な体深部の構造物,特に左心房や弁の観察に適しており,心房内の血栓や感染性心内膜炎,弁膜症,先天性心疾患の観察に適している.近年開発された,高解像度のTEE3次元画像から得られる解剖学的情報は多く,弁膜症の日侵襲的治療が進歩するなか,ますます,経食道心エコーの臨床的有用性が高まっている.本セッションでは,いくつかの臨床例を挙げつつ,循環器診療における,TEEの現状および展望について述べさせていただきたいと考えております.