Online Journal
電子ジャーナル
IF値: 1.878(2021年)→1.8(2022年)

英文誌(2004-)

Journal of Medical Ultrasonics

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2012 - Vol.39

Vol.39 No.Supplement

ポスター
体表臓器:体表臓器

(S574)

呼吸器内科診療での超音波検査の実施状況

Ultrasonographic examinations on pulmonary medicine

澤田 格

Kaku SAWADA

市立室蘭総合病院呼吸器内科

Department of Pulmonary Medicine, Muroran City General Hospital

キーワード :

【はじめに】
近年超音波気管支内視鏡が開発され,呼吸器内科領域において日常診療に使われ始めている.また同時に,これまで以上の質の高い診療が求められるようになった.
【目的】
呼吸器内科診療における各種超音波検査の施行状況を明らかにする.
【方法】
2009年4月から2011年9月の期間,市立室蘭総合病院呼吸器内科において施行した超音波検査の内容について検討した.
【結果】
胸部体表超音波検査は213件,そのうち胸腔穿刺やトラカールチューブ挿入をしたのは188件.超音波ガイド下経皮肺生検3件,心臓超音波検査43件,心嚢ドレナージチューブ挿入5件,超音波ガイド下中心静脈カテーテル挿入11件であった.また気管支内視鏡検査では,ラディアル型探索子を用いた超音波検査は12件,コンベックス型超音波気管支内視鏡による観察は25件(そのうちガイド下穿刺は14件)であった.
【考察】
呼吸器内科領域での超音波検査は,消化器・循環器領域と比べ頻度は少ない.しかし主な超音波検査の目的は,非侵襲的に行なう観察や計測よりも,穿刺や処置などの侵襲的手技の際に用いる場合が多くを占めた.また呼吸器内視鏡領域では,ラディアル型あるいはコンベックス型超音波気管支内視鏡の導入により,当科の肺癌診療における悪性細胞の証明率が導入前(76.5%)と比較し,大幅に上昇(93.9%)した.
【結論】
呼吸器内科領域の超音波検査は侵襲的手技の際に用いる場合が多かった.超音波気管支内視鏡の導入により,肺癌診療における診断精度が大きく向上した.