英文誌(2004-)
ポスター
循環器:症例3
(S533)
心不全治療後改善した限局性左室緻密化障害の一例
Regression of Meshwork Structure After Treatment for Heart Failure: A Case Study
三角 郁夫
Ikuo MISUMI
国立病院機構熊本再春荘病院循環器科
Cardiology, Kumamoto Saisyunnsou National Hospital
キーワード :
【症例】
87才,男性.
【現病歴】
1年前から息苦しさが出現するようになり近医を受診,心不全疑いで当科紹介となった.血圧186/101mmHg,脈拍81/分,心音は正常で肺野は湿性ラ音を聴取.採血ではBNP高値(1587.5 pg/mL)であった.心電図は洞調律で左室側高電位を認めた.胸部×線写真ではCTRは58%で胸水を認めた.経胸壁心エコーでは左室肥大と瀰漫性の左室壁運動低下を認めた.また,心尖部に限局性の粗い肉柱と深い陥凹,心筋の菲薄化を認め左室緻密化障害の所見を呈していた.3D心エコーでは,疎の部位は肉柱が網状を呈していた.心不全の治療後,緻密化障害は改善した.
【まとめ】
左室心尖部に限局性の左室緻密化障害を認めた心機能障害例を経験した.その診断に3D心エコーは有用であった.また,心不全改善と緻密化障害改善の関連が考えられた.