英文誌(2004-)
ポスター
循環器:症例3
(S532)
心筋梗塞後心室中隔穿孔の一例
Postinfarction ventricular septal perforation: report of a case
渡部 徹也, 上松 正朗
Tetsuya WATANABE, Masaaki UEMATSU
関西労災病院循環器内科
Cardiovascular Center, Kansai Rosai Hospital
キーワード :
症例は70代女性.3週間前より労作時呼吸苦,10日前より夜間起坐呼吸を認め,改善しないため独歩にて外来を受診された.来院時血圧は140/70mmHg,聴診上第4肋間胸骨左縁でLevine4/6の全収縮期雑音を聴取し,心電図でV1からV3にQSパターン及びST上昇,心エコー図で心尖部に左右短絡を認め心室中隔穿孔疑いにて緊急入院となった.右心カテーテル検査で右房,右室間でO2 step up(シャント率62%)を認め,肺体血流比2.6と上昇,冠動脈造影で左冠動脈前下行枝#8完全閉塞,左室造影で心尖部近傍心室中隔に左右短絡を認め,心筋梗塞後心室中隔穿孔と診断した.血行動態は安定しており,翌日心室中隔パッチ閉鎖術を施行した.独歩にて来院した心室中隔穿孔という貴重な一例を経験したので報告する.