Online Journal
電子ジャーナル
IF値: 1.878(2021年)→1.8(2022年)

英文誌(2004-)

Journal of Medical Ultrasonics

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2012 - Vol.39

Vol.39 No.Supplement

ポスター
循環器:症例2

(S528)

家族内発症を認めた左室心筋緻密化障害の高齢者の一例

A case of an elderly patient with left ventricular noncompaction cardiomyopathy (LVNC) suggesting familial occurrence

小西 崇夫1, 永井 知雄1, 久留 秀樹1, 吉田 尊1, 田畑 博嗣1, 沼倉 陽子2, 斎藤 菜々子2, 畑岡 麻子2, 安田 真由美2, 上畑 昭美1

Takao KONISHI1, Tomoo NAGAI1, Hideki HISADOME1, Mikoto YOSHIDA1, Hirotsugu TABATA1, Youko NUMAKURA2, Nanako SAITOH2, Asako HATAOKA2, Mayumi YASUDA2, Akimi UEHATA1

1三宿病院循環器内科, 2三宿病院臨床検査課

1Cardiology, Mishuku Hospital, 2Clinical Exam Department, Mishuku Hospital

キーワード :

【症例】
84歳 女性.2011年1月頃から呼吸苦,咳嗽が出現した.以後,症状増悪し,近医を受診したところ,血液酸素飽和度低下を認めたため,3月11日に当院紹介受診となった.身体所見上,心不全兆候を認め,BNPは 2889 pg/mlと著明な高値を認めた.12誘導心電図では,左脚ブロックを示しており,胸部レントゲン上,著明な肺うっ血,胸水,心拡大を認めた.心不全治療後,心筋虚血の評価目的で,冠動脈造影を実施したところ,3枝ではなく2枝病変であった.経胸壁心エコーを施行したところ,異常肉柱の形成,肉柱間の深い陥凹を認め,心筋コントラストエコーで,肉柱間にコントラスト剤による造影効果を認めた.3D心エコー上,心尖部の側壁から下壁を中心に,網目状の異常肉柱,肉柱間の陥凹が観察され,心臓MRIでも同様の所見を認め,左室心筋緻密化障害と診断した.また,家族検索を行い,三世代にわたる家族性左室心筋緻密化障害の可能性を示唆する所見を認めた.
【考察】
びまん性左室壁運動異常の原因検索のため心エコー検査を施行する際には,年齢や器質的心疾患の有無にかかわらず,左室心筋緻密化障害を念頭に入れ観察を行うことが重要である.同疾患においては,潜在的家族内発症も考慮し,積極的にスクリーニングを行うべきである.