Online Journal
電子ジャーナル
IF値: 1.878(2021年)→1.8(2022年)

英文誌(2004-)

Journal of Medical Ultrasonics

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2012 - Vol.39

Vol.39 No.Supplement

ポスター
基礎:基礎

(S514)

Multi-Volume Fusion機能の応用に関する検討

Multi-Volume Fusion Imaging using image processed CT/MR data

橋本 浩, 佐藤 直人

Hiroshi HASHIMOTO, Naoto SATO

GEヘルスケア・ジャパン株式会社超音波研究開発部

Ultrasound Research and Development, GE Healthcare Japan Corporation

キーワード :

【目的】
Volume Navigationは,磁気センサを用いることによってプローブの空間位置情報を検出することで,他モダリティのボリュームデータから同じ空間座標の断面を算出し,超音波診断装置でスキャンしている画像とリアルタイムにFusion表示することのできる機能である.2011年には複数のDICOM Volume Dataの読み込みに対応し,PET-CT等の複数モダリティのデータや造影時相の異なるデータを読み込み,検査中に切り替えて観察することが可能になった.一方,CT/MRの画像処理も日々進歩しており,臓器や血管,腫瘍の抽出のみならず,例えば肝臓領域のCTデータに対して門脈枝の支配領域の計算が出来るようになっている.今回,我々は,このような抽出処理データを用いて,超音波画像とFusion表示する方法について検討したので報告する.
【方法・結果】
当初,複数ボリュームを読み込む機能がなかったため,まず,我々は,外部PCにてMR画像に対して簡単な抽出処理を行って複数のボリュームデータを作成した後,弊社の超音波診断装置で読み込める3Dボリュームのフォーマットに変換し,その実現可能性の評価を行った(Fig.1).次に,CTのボリュームデータに対してZioSoft社製のWorkStation,ZioStation2を用いて,抽出処理を行った.このWorkstationは,血管抽出や区域分割ができる肝臓体積測定機能を持ち,さらには処理後のデータを三次元再構成するためにDICOM出力することが可能である.肝腫瘍のCT画像に対して,門脈,腫瘍,および腫瘍を栄養する門脈枝の支配領域を抽出したDICOMデータを作成し,複数時相データの代わりに超音波診断装置に読み込んでVolume Navigationを行った.各ボリュームデータは,それぞれWindow LevelとWidthを調整でき,任意に重畳表示可能で,配色も設定できるようにした.これにより,抽出した各領域を明瞭に表示し,超音波画像とFusion表示することが可能であった.
【結論】
外部のWorkstationによって処理されたデータを用いたVolume Navigationについて報告した.特に肝のSegmentationデータを用いると,区域の同定,治療計画,肝切除術,さらに治療効果判定にも応用できる可能性があると考えている.今後,その他の画像処理に関しても適用の可能性を検討し,その臨床的有用性の評価を進める予定である.