Online Journal
電子ジャーナル
IF値: 1.878(2021年)→1.8(2022年)

英文誌(2004-)

Journal of Medical Ultrasonics

一度このページでloginされますと,Springerサイト
にて英文誌のFull textを閲覧することができます.

cover

2012 - Vol.39

Vol.39 No.Supplement

ポスター
基礎:基礎

(S510)

穿刺型超音波顕微鏡用溶融石英棒センサの分解能向上

Improvement of Lateral Resolution of Fused Quartz Rod sensor for Puncture Needle-Type Ultrasonography

柄澤 浩一1, 吉澤 昌純1, 入江 喬介2, 田川 憲男3, 伊東 紘一4, 横山 卓5, 紺野 啓6, 谷口 信行6, 守屋 正7

Kouichi KARASAWA1, Masasumi YOSHIZAWA1, Takasuke IRIE2, Norio TAGAWA3, Kouichi ITOH4, Taku YOKOYAMA5, Kei KONNO6, Nobuyuki TANIGUCHI6, Tadashi MORIYA7

1東京都立産業技術高等専門学校ものづくり工学科, 2マイクロソニック株式会社社長, 3首都大学東京大学院システムデザイン研究科, 4常陸大宮済生会病院内科, 5常陸大宮済生会病院外科, 6自治医科大学臨床検査医学, 7首都大学東京名誉教授

1Monozukuri Department, Tokyo Metropolitan College of Industrial Technology, 2President, Microsonic co., ltd., Tokyo, Japan, 3Graduate School of System Design, Tokyo Metropolitan University, 4Department of internal medicine, Hitachi-Omiya Saiseikai Hospital, 5Department of surgery, Hitachi-Omiya Saiseikai Hospital, 6Department of Clinical Laboratory, Jichi Medical University, 7Emeritus, Tokyo Metropolitan University

キーワード :

【目的】
超音波顕微鏡は染色の必要が無いため術中の病理検査に向き,特に音響インピーダンス計測では組織表面の画像化ができるため,生体内計測の可能性が示唆されている.そこで我々は,石英棒を伝送線路およびセンサとして用い,音響インピーダンス差分画像を得る,穿刺型超音波顕微鏡を実現するための研究を行っている(1-2).これまで,本手法の有効性を確認するため,直径1.2mmの石英棒の先端を凹面に加工し,収束超音波(中心周波数5.8MHz,波数30のバースト波)を用いて腎断面の音響インピーダンスの差分の画像化を行った(1).しかし,充分な分解能の画像とは言い難かった.そこで今回,より分解能の向上を実現するため,使用する中心周波数を20MHzに上げ,石英棒センサの直径を0.66mmとし,その先端を凹面に加工し,方位分解能を検討した.
【方法】
まず,センサの方位分解能を検討した.振動子に中心周波数20MHz,波数5,振幅5Vp-pのバースト波を印加し,石英棒の先端と試料表面からの反射信号を干渉させて,試料と石英棒先端の間の音響カプラの距離を変えて振幅が最大となる距離で固定した.次に,自動ステージにより1次元走査し,音響インピーダンスの差分を示す,試料の干渉信号の振幅の分布を画像化した.なお,データは650ポイントを10μmおきに測定した.試料としては,図1に示す切り込みをいれたテストピースを用い,その断層像を計測することにより方位分解能を検討した.
【結果と考察】
図2に実験結果を示す.図からは,150ミクロンの溝が識別できている事から,150ミクロンの方位分解能を持つ事が分かる.今後,このセンサでの腎断面の音響インピーダンス差分画像の取得を試み,画像上の分解能向上について検討する予定である.
【謝辞】
実験機材を貸していただきました東京工業大学 総合理工学研究科 物理情報システム専攻黒澤 実 准教授に深く感謝致します.
【文献】
1.吉澤昌純,他.J Med Ultrasonics Vo. 36 Supplement. S295 (2009).
2.M. Yoshizawa, T. Irie, K. Itoh, and T. Moriya: Jpn. J. Appl. Phys. 49 (2010) 07HF03.