Online Journal
電子ジャーナル
IF値: 1.878(2021年)→1.8(2022年)

英文誌(2004-)

Journal of Medical Ultrasonics

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2012 - Vol.39

Vol.39 No.Supplement

一般口演
体表臓器:甲状腺2

(S496)

甲状腺悪性リンパ腫Maltomaの超音波診断

Evaluation of ultrasonography in the diagnosis of Maltoma maliganant lymphoma of the thyroid.

小松 誠

Makoto KOMATSU

相澤病院外科

Department of Surgery, Aizawa Hospital

キーワード :

【目的】
私は以前,1983年から1991年までに経験した甲状腺悪性リンパ腫(MALT型リンパ腫の概念が確立する以前の甲状腺悪性リンパ腫であり,主として,diffuse large B-cell lymphomaの症例)の画像診断について,報告した(小松誠,他:甲状腺悪性リンパ腫の超音波診断.日外会誌,95:187-191,1994.)(Komatsu M,etc:Evaluation of ultrasonography in the diagnosis of maliganant lymphoma of the thyroid. Ultrasound International,1:76-81,1995).今回,私は,2007年から2011年までに経験した甲状腺悪性リンパ腫MALT型リンパ腫5例の画像診断特に超音波診断について,その特徴を明らかにすべく,検討した.
【対象ならびに方法】
5例全例,超音波,PET/CT,穿刺吸引細胞診検査を行った後,手術が施行され,病理組織学検査,遺伝子検索にて,確定診断が得られた症例である.
【成績】
①腫瘍径は15から70mmであり,比較的小さい症例が含まれていた.PET発見例2例,気管圧排例は1例のみであった.②超音波では,後方エコ-の増強を伴い,無エコ-に近いエコ-レベルを呈する結節は1例のみであり,4例は後方エコ-は不変であり,エコ-レベルは低エコ-レベルを呈する結節であった.③PETでは,全例で集積像を認めたが,SUV値は3から24であり,広い範囲に分布していた.
【考察】
甲状腺悪性リンパ腫の画像診断の特徴は,従来最も頻度の高かった,diffuse large B-cell lymphomaに主眼がおかれたものであり,MALT型リンパ腫の画像診断は超音波,PETとも,相違が認められた.今後も症例の蓄積が必要であり,甲状腺悪性リンパ腫diffuse large B-cell lymphomaとMALT型リンパ腫の画像診断上の直接比較検討が望まれた.