Online Journal
電子ジャーナル
IF値: 1.878(2021年)→1.8(2022年)

英文誌(2004-)

Journal of Medical Ultrasonics

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2012 - Vol.39

Vol.39 No.Supplement

一般口演
産婦人科:婦人科腫瘍

(S464)

子宮内膜ポリープの診断におけるソノヒステロ3D超音波の有用性について

Usefulness of 3D sono-hystero ultrasound in the diagnosis of the endometrial polyp.

立石 聖子, 井上 統夫, 増﨑 英明

Seiko TATEISHI, Tsuneo INOUE, Hideaki MASUZAKI

長崎大学医学部産婦人科

Obstetrics and Gynecology, Nagasaki University School of Medicine

キーワード :

【目的】
子宮内膜ポリープは不妊症,不育症さらには過多月経の原因になる.有茎性のポリープは内診,超音波断層法およびMRIで診断できることもあるが,それ以外は診断が困難であることも少なくない.診断にはソノヒステロ超音波(SHUS)が有用であるが,ポリープの一部しか描出せず,全体像の把握は困難な場合がある.そこで私どもは,ソノヒステロ3D超音波(3D-SHUS)を用いて術前に子宮内膜ポリープの病態把握を試みたので報告する.
【対象および方法】
平成22年8月から平成23年12月までの間に,子宮内膜ポリープの診断で手術を行った症例のうち,術前にSHUSを行った6例を対象とし,さらに3D-SHUSを施行した.得られた画像からポリープ付着部位,大きさなどを推定し,術中子宮鏡所見または摘材所見と比較した.
【結果】
6例全例に術前MRI検査が施行されたが,明らかな子宮内膜ポリープは指摘されなかった.5例に子宮鏡下切除(TCR),1例に腹腔鏡下腟式子宮全摘術(LAVH)が施行された.全例SHUSによって初めて子宮内膜ポリープと診断された.3D-SHUSで得られた所見(派生部位,単発か多発か,サイズ)はTCR術中所見またはLAVHの摘材所見とほぼ一致していた.3D-SHUSによる疼痛や感染は認めなかった.
【結論】
MRIは子宮内膜ポリープの診断には有効ではなかった.3D-SHUSの所見は手術所見と一致しており,子宮内膜ポリープの術前病態を安全,簡便に把握するのに有用であると考えられた.