Online Journal
電子ジャーナル
IF値: 1.878(2021年)→1.8(2022年)

英文誌(2004-)

Journal of Medical Ultrasonics

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2012 - Vol.39

Vol.39 No.Supplement

一般口演
消化器:肝・Elastography 3

(S433)

慢性肝疾患における肝線維化の非侵襲的評価〜VTTQ,fibroscan,RTTEの比較〜

non invasive evaluation of fibrosis for chronic liver disease comparison of VTTQ, fibroscan, RTTE

高木 慎太郎, 宮木 大輔, 村上 英介, 相方 浩, 高橋 祥一, 茶山 一彰

Shintaro TAKAKI, Daisuke MIYAKI, Eisuke MURAKAMI, Hiroshi AIKATA, Shoichi TAKAHASHI, Kazuaki CHAYAMA

広島大学病院消化器・代謝内科

department of gastroenterology and metabolism, Hiroshima university hospital

キーワード :

【はじめに】
慢性肝疾患における肝線維化の非侵襲的測定法は,さまざまな機器が開発され,その有用性が報告されている.
【目的】
ウイルス性慢性肝疾患,non-alcoholic fatty liver disease(NAFLD),自己免疫性肝疾患などの慢性肝疾患症例において,超音波を用いた非侵襲的肝線維化評価法であるVTTQ(Virtal touch Tissue Quantification), Fibroscan, RTTE(Real-time Tissue Elastography)の各検査の有用性を比較・検討する.
【対象と方法】
2011年4月から2011年9月までにVTTQ, Fibroscan, RTTEと肝生検を同時に施行した慢性肝疾患患者の40例.背景は,年齢47歳(25-77歳),男性19例,女性21例,身長161±19cm, 体重71±32kg, BMI 26.1±1.3, AST:40±44IU/L,ALT:49±71IU/L,血小板:21.9±7.9万 /μL.VTTQとfibroscanは10回測定,RTTEは5回測定しLFindexの各々の中央値を測定し,USガイド下に16Gソロカット針にて肝生検を施行した.
【結果】
VTTQは全例で測定可能であったが,肥満の影響でfibroscanは13例で,RTTEは7例で測定値が得られなかった.RTTEは心拍動による波形が得られない症例がみられた.肝生検のF因子ごとのVTTQ / Fibroscan / RTTE(LFindex)の各値<中央値(最小-最大)>は,F0-1;1.18(0.96-1.52) / 5.6(3.5-7.8)/ , 1.70(1.39-2.13), F2; 1.41(0.72-2.36) / 6.4(3.80-22.5) / 2.33(2.16-3.25), F3; 1.95(1.02-2.85) / 18(6.80-22.80) / 3.225(1.41-3.10)であり,VTTQ, fibroscanではF1とF2の分離が不良であったがRTTEでは良好な分離がえられた.いずれの検査法もF2 とF3の分離に優れ,肝硬変例の選別に有用であった.
【結語】
VTTQ,fibroscan,RTTEは,肥満の程度などにより機器を選択する必要があるが,いずれも慢性肝疾患におけるF3以上の分離には有用であると思われた.