西尾 みどり¹, 小川 眞広¹, 三浦 隆生¹, 塩澤 克彦¹, 廣井 喜一¹, 藤根 里抄¹, 山本 敏樹¹, 森山 光彦¹, 藤井 雅志², 石田 秀明³

Midori NISHIO¹, Masahiro OGAWA¹, Takao MIURA¹, Katsuhiko SHIOZAWA¹, Yoshikazu HIROI¹, Risa TOUNE¹, Toshiki YAMAMOTO¹, Mitsuhiko MORIYAMA¹, Masashi FUJII², Hideaki ISHIDA³

¹駿河台日本大学病院内科, ²駿河台日本大学病院外科, ³秋田赤十字病院超音波センター

¹Internal medicine, Surugadai Nihon university Hospital, ²Department of Surgery, Surugadai Nihon university Hospital, ³Center of Diagnostic Ultrasound, Akita Red Cross Hospital

キーワード :

【目的】
超音波検査にエラストグラフィーが導入され数年が経過した．これまで超音波検査では得られなかった硬さのイメージを視覚的に表現する手法で体表を中心に使用されている．肝腫瘍に対しても施行されるようになったがあまり経時的変化についての報告は無い．今回我々は,大腸癌による転移性肝癌に対して化学療法を行いElasticity imagingを用いて超音波検査で経過観察を施行した症例を経験したので報告をする．
【対象と方法】
対象は大腸癌転移症例に対しbevacizumab+FOLFIRI（5-FU＋Isovorin＋Oxaliplatin）の化学療法が施行され治療開始前後に超音波B-mode検査およびElasticity imagingで観察可能であった症例である．治療開始前および第1クールの治療開始後1,3,7日および各クールの治療前に超音波検査を施行した．使用装置：GEヘルスケア社製LOGIQ E9,使用探触子C1-5,9Lである．
【結果】
転移性肝癌は内部が硬いと言われていたが今回の評価でも治療前のイメージでは,周囲肝と比較し腫瘍内部は比較的均一で硬い表示をしていた．これに対し治療効果の良好な症例においては,治療後中腫瘍径の縮小より早く腫瘍内の硬い部分の表示範囲の縮小を認めており内部組織の変化が起こっていることが示唆された．
【考察】
Elasticity imagingは,腫瘍組織内の組織の変化を硬さという使用で捉えることが可能であり,B-modeのみでは変化が分からない変化も捉えることができる可能性が示唆された．
【結論】
Elasticity imagingは腫瘍内の変化も鋭敏に捕らえる可能性が有り今後治療効果判定にも利用できることが示唆された．