Online Journal
電子ジャーナル
IF値: 1.878(2021年)→1.8(2022年)

英文誌(2004-)

Journal of Medical Ultrasonics

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2012 - Vol.39

Vol.39 No.Supplement

一般口演
消化器:その他1

(S427)

肝細胞癌に対する経皮的ラジオ波焼灼術 -V-naviを用いた治療効果判定の試み-

Therapeutic effectiveness of RFA by 3DUS-image using Volume-Navigation system

及川 隆喜1, 黒田 英克1, 小野寺 美緒1, 三上 有里子1, 2, 武田 智弓1, 2, 木村 義信1, 2, 諏訪部 章2, 滝川 康裕1, 鈴木 一幸1

Takayoshi OIKAWA1, Hidekatsu KURODA1, Mio ONODERA1, Yuriko MIKAMI1, 2, Chiyumi TAKEDA1, 2, Yoshinobu KIMURA1, 2, Akira SUWABE2, Yasuhiro TAKIKAWA1, Kazuyuki SUZUKI1

1岩手医科大学内科学講座 消化器・肝臓内科分野, 2岩手医科大学臨床検査医学講座 中央臨床検査部

1Division of Gastroenterology and Hepatology, Department of Internal Medicine, Iwate Medical University, 2Department of Laboratory Medicine, Iwate Medical University

キーワード :

【目的】
肝細胞癌(HCC)に対する経皮的ラジオ波焼灼術(RFA)の成績向上には厳密な治療効果判定が必要である.一般的な効果判定には造影CTが施行されるが,被爆,コスト,腎機能障害やヨードアレルギーの問題点が指摘されている.近年,Volume-navigation system(V-navi)を用いたアプリケーションの開発により,3次元での経時的な超音波による観察や評価が可能となった.今回,我々はこのシステムを用い,HCCに対するRFA後に3D超音波を用いて治療効果判定を施行したので報告する.
【方法】
対象は2011年11月までに当科にてRFAを施行したHCC5例5結節.使用装置はGE health-care社LOGIQ E9を使用.治療前に3D超音波イメージをraw dataとして取得し,腫瘍輪郭にマーキングを施行した.RFA後に術前に加工した3D超音波イメージをreferenceとしてfusionし,造影超音波検査の後血管相で,マーキング部位がdefectに含まれているか否かを確認した.また,Dynamic CTを施行し治療効果判定の結果を比較した.
【結果】
3D超音波による治療効果判定の結果,全結節がDynamic CTの判定結果と一致し,5結節中1結節が焼灼margin不十分と判断され追加治療を行った.3D超音波イメージのfusionに若干の時間と要領を必要とした.
【結語】
治療前後の3D超音波イメージを用い立体的なmarginの評価が可能であり,治療効果判定に用いることが可能であった.造影超音波検査は低コスト,低侵襲な検査であり,本法は腎機能障害やヨードアレルギー例で特に有用と思われた.