Online Journal
電子ジャーナル
IF値: 1.878(2021年)→1.8(2022年)

英文誌(2004-)

Journal of Medical Ultrasonics

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2012 - Vol.39

Vol.39 No.Supplement

一般口演
循環器:虚血など

(S385)

冠動脈エコー検査の“こつ”

Tips for ultrasound imaging of coronary artery

布施 茂登

Shigeto FUSE

NTT東日本札幌病院小児科

Department of Pediatrics, NTT East Japan Hospital

キーワード :

【背景】
小児領域において川崎病による冠動脈障害を評価するために,冠動脈エコーの重要性を指摘されている.しかし冠動脈エコーの技術はいまだ発展途上で,冠動脈の全領域が観察できているとは言いがたい状況にある.とくに左冠動脈回旋枝(#11)と右冠動脈の近位部(#1)から中間部(#2),遠位部(#3)の観察が不十分な状況にある.日本川崎病学会では,ハンズオンセミナーを2010年から開催し,冠動脈の適切な観察方法の普及に努めている.
【方法】
北海道内でハンズオンセミナーを計4回開催した.参加者は小児科医17名,超音波検査技師7名.小学生男児をボランティアの被験者として行った.
【結果】
ハンズオンセミナー前は#11と#2の描出が,参加者全員困難であったが,ハンズオンセミナー後は,参加者全員が描出可能となった.#11の描出の“こつ”は,被験者を仰臥位または左側臥位とし,左冠動脈主幹部を描出後に探触子を時計方向に回転させつつ左側に移動させることで,#11が僧房弁輪の前縁に描出することができる.このとき第1対角枝と#11を間違うことがあるので,解剖を熟知する必要がある.#2の描出の“こつ”は,被験者を右側臥位とし,探触子を胸骨右縁から走査し,右室の拍動とともに上下する#2を描出することで,#2は直線状に比較的長く描出することができる.
【結論】
冠動脈エコー検査には若干の“こつ”があるので,今後ともハンズオンセミナー等での技術の普及の必要がある.