Online Journal
電子ジャーナル
IF値: 1.878(2021年)→1.8(2022年)

英文誌(2004-)

Journal of Medical Ultrasonics

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2012 - Vol.39

Vol.39 No.Supplement

特別企画 循環器
ワークショップ3 カテーテル治療(ASO,TAVI,BAV,MVclip)と心エコー

(S205)

経カテーテル的心房中隔欠損閉鎖術における経食道心エコー図治療ガイド

Transesophageal echocardiography guidance for transcatheter closure of atrial septal defects

谷口 学1, 赤木 禎治2

Manabu TANIGUCHI1, Teiji AKAGI2

1福山循環器病院循環器科, 2岡山大学病院循環器疾患集中治療部

1Cardiology, Fukuyama Cardiovascular Hospital, 2Cardiac Intensive Care Unit, Okayama University Hospital

キーワード :

【背景】
35年前に経カテーテル的心房中隔欠損(ASD)閉鎖術が試みられ,その後のデバイスや留置システムの進歩により,現在では外科的閉鎖術と並ぶ治療法として国内外で広く行われるようになった.治療においては,詳細な形態情報をリアルタイムに描出することが要求され,治療ガイドイメージングとしての超音波法はこの治療において必須となっている.経食道心エコー図(TEE)は小児,成人を問わず以前より広く使われてきたモダリティであり,近年3D TEEや小径micro TEEといった新しい技術も使えるようになってきた.
【目的】
経カテーテル的ASD閉鎖術の治療ガイドイメージングとしてのTEEにおける役割を明らかにし,3D TEE,micro TEEといった新しい技術の可能性について検討すること.
【方法】
2005年12月から2011年6月までに当院で経カテーテル的ASD閉鎖術を行った382例を対象として,治療ガイドイメージングとしてのTEEについてretrospectiveに解析を行った.
【結果】
平均年齢44.8±21.7歳(5-84歳),98%の症例で治療成功が得られた.治療は全例TEEを用いて行い,92症例は2D TEE probe,298症例は3D TEE probeを用いて行い,10症例はmicro TEE probeを使用した.高画質の2D TEE画像により,治療に沿った情報を正確に把握し,それを術者にスピード感を持って分かりやすいイメージで瞬時に描出する技術が必要であった.3D TEEは多孔型や形態的に複雑な構造を持った症例において有用であった.micro TEE probeは治療ガイドに必要な情報を提供でき,2症例は局所麻酔下で治療を行うことができた.
【結論】
TEEは経カテーテル的ASD閉鎖術の治療ガイドにおいて重要な役割を果たし,高画質の画像を迅速に術者に提供する技術も必要とされた.3D TEE,micro TEEの登場により,個々の症例に応じた治療ガイドイメージングを選択できる可能性が示唆された.