Online Journal
電子ジャーナル
IF値: 1.878(2021年)→1.8(2022年)

英文誌(2004-)

Journal of Medical Ultrasonics

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2012 - Vol.39

Vol.39 No.Supplement

特別企画 領域横断
ワークショップ13 ボリュームデータとしての超音波診断と治療ナビゲーション

(S165)

Volume Navigation system のOverlay機能を利用したラジオ波焼灼術治療の効果判定

Evaluation of Ablaton Margin of Radiofrequency Ablation Therapy using Overlay with Volume Navigation system

友國 淳子1, 詫間 義隆2, 守本 洋一2, 高畠 弘行2, 山本 博2, 佐原 朗子1, 石坂 克己1

Junnko TOMOKUNI1, Yoshitaka TAKUMA2, Yoichi MORIMOTO2, Hiroyuki TAKABATAKE2, Hiroshi YAMAMOTO2, Akiko SAHARA1, Katumi ISHIZAKA1

1(財)倉敷中央病院臨床検査科, 2(財)倉敷中央病院消化器内科

1Clinical labolatory, Kurashiki Central Hospital, 2Hepatology and Gastroenterology, Kurashiki Central Hospital

キーワード :

【はじめに】
肝細胞癌や転移性肝癌におけるラジオ波治療(以下RFA)は低侵襲で簡便かつ効果的な局所治療法として広く用いられている.RFAはUS下で行われることがほとんどであるが効果判定には,CT,MRIなど他のモダリテイが使用されている.われわれは,Volume Navigation system(以下V-Nav)を用いて治療前後のUS/USの画像を比較し,さらにoverlay機能を使用し2画像を重ね合わせることによりRFAの効果判定および追加焼灼部位の同定を行った.
【対象・方法】
2011年4月〜2011年11月までに当院にて肝細胞癌と診断され,RFAを施行した10例12結節.使用機種:GE横河メデイカル社製LOGIQE9.RAW Dataとして取り込まれた治療前の3-D超音波画像をVolume解析ソフトにて結節の輪郭をmarkingし治療後の造影超音波画像(以下CEUS)で焼灼域を描出しV-Navを用いて2画面同時表示し,overlay機能を使用し焼灼前の結節と焼灼域を重ね合わせてマージンの確認を行うとともにCTあるいはMRIによる画像とも比較を行った.
【結果】
9例11結節のうち10結節はV-Navでの評価で充分なマージンをもって焼灼が行われていると判断されCTあるいはMRIでも確認された.1結節はV-Navでマージンが不足していると判定され他のモダリテイでも同様の結果であったため,V-Navでマージン不足箇所の確認と追加焼灼の穿刺ラインを決定し追加焼灼した.追加治療後,再びV-Navを用い,効果判定を行い,充分なマージンが取れていることを確認した.1例のみ天頂部の結節でV-Navによる術前術後の評価が困難であった.
【まとめ】
V-Nav機能を用いてのUS/USの治療前後の画像評価は,腎障害や被爆のリスクも無く治療効果判定できる利点がある.また,RFAはUS下で行われることがほとんどであるためCT・MRIに比べ治療時と同じ走査にてマージン不足箇所の確認と同時に穿刺ラインの決定が容易となり追加治療に役立つと思われる.しかし,病変が深部・天頂部の場合など描出不良な症例においては画像の取込みや位置あわせが困難な場合もあり術者の技量によるところも大きく,今後も症例を重ねて,検討していきたい.