英文誌(2004-)
特別企画 領域横断
パネルディスカッション6 超音波専門医および検査士制度における領域の見直し:消化器領域を腹部領域とすることを議論する
(S155)
実情に即した試験範囲とは? -けんしん-
What is appropriate exam coverage for actual medical situation?
関口 隆三
Ryuzo SEKIGUCHI
栃木県立がんセンター画像診断部
Division of Diagnostic Imaging, Tochigi Cancer Center
キーワード :
「けんしん」で行われている超音波検査の対象領域は,上腹部が最も多く,次いで乳腺である.また,甲状腺,頸動脈なども「けんしん」対象に含めている施設も多く見られる様になってきている.こうした背景を踏まえ,超音波検査士の「健診」試験範囲は消化器を中心に,腎臓,体表(乳腺・甲状腺),頸動脈(大血管)を含めたものとしている(2011年現在).日常臨床の場では,腹部のルチーン検査として超音波検査を施行する場合,膀胱および生殖器などの下腹部を含めた検査を行っている施設も多いが,「けんしん」の場では下腹部まで含めた検査を施行している施設はむしろ少ない.この点を考慮し,「健診」では下腹部は試験範囲に含めてはいない.また,心エコーを「けんしん」に取り入れている施設も見受けられるが,現段階では広く普及していないことから,これも「健診」の試験範囲に含めてはいない.今後,生活習慣病の是正勧告に心エコー(仮説です)というような形で心エコーが普及することがあれば,これも試験範囲に含める方向での見直しが必要と考えている.時代の要求に即して「けんしん」超音波検査内容も変わることが予想され,認定試験もそれに応じて変化する必要があると思う.そこで提案だが,5年毎に試験範囲の見直しを行ってはどうだろうか?