Online Journal
電子ジャーナル
IF値: 1.878(2021年)→1.8(2022年)

英文誌(2004-)

Journal of Medical Ultrasonics

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2010 - Vol.37

Vol.37 No.Supplement

一般ポスター
消化器:胆膵

(S501)

膵・胆管合流異常の有無の診断に胆管腔内超音波が有用であった3例

Usefullness of intraductal ultrasonography during endoscopic retrograde cholangiopancreatography in three cases for diagnosis of abnormal pancreaticobiliary junction.

高岡 亮, 島谷 昌明, 池浦 司, 楠田 武生, 栗島 亜希子, 山口 隆志, 小薮 雅紀, 関 寿人, 岡崎 和一

Makoto TAKAOKA, Masaaki SHIMATANI, Tsukasa IKEURA, Takeo KUSUDA, Akiko KURISHIMA, Takashi YAMAGUCHI, Masanori KOYABU, Toshihito SEKI, Kazuichi OKAZAKI

関西医科大学消化器肝臓内科

Division of Gastroenterology and Hepatology Department of Internal Medicine, Kansai Medical University

キーワード :

【目的】
膵・胆管合流異常の診断には直接造影検査であるERCPがもっとも有用であるが,ときに診断が困難な場合もある.膵・胆管合流異常の有無の診断に胆管腔内超音波(IDUS)が有用であった3例を報告する.
【対象・方法】
平成18年1月から平成21年11月までに当科で経験した膵・胆管合流異常(疑い例含む)11例において,その診断にIDUSが有用であった3例のERCP, IDUS画像について検討した.症例1は68歳の女性.胆嚢癌による閉塞性黄疸の精査目的でERCPを施行した.ERCPの胆管造影で胆管と同時に淡く膵管も造影されたが,胆管と膵管が同時に,重なって描出されていると考えた.IDUSにて乳頭括約筋より肝門部側で主膵管が総胆管に合流していることが確認された.造影では判断できなかった膵・胆管合流異常がIDUSで診断できた.症例2は61歳の女性.総胆管結石の治療目的でERCPを施行した.胆管造影で下部胆管狭窄と中上部胆管拡張,総胆管結石を認めた.胆管造影の途中で膵管が造影されたが,重なりの可能性も考えた.IDUSにて下部胆管途中で膵管合流が確認できた.造影では判断できなかった膵・胆管合流異常がIDUSで診断できた.症例3は76歳,男性.胆嚢癌による閉塞性黄疸の精査目的でERCPを施行した.ERCPで括約筋のおよばない部位で膵管胆管が合流していた.同時に行ったIDUSでは膵管は乳頭部付近で合流しているように描出された.造影所見から膵・胆管合流異常と診断した.EST後胆道ドレナージ術を施行し,後日行ったERCP再検時に,胆管口と膵管口が別開口であることが確認され,膵・胆管合流異常は存在しないと判断した.IDUSの所見がERCPより正確であった.
【結論】
ERCPにIDUSを併用することで膵管胆管合流部位が明らかとなり,膵・胆管合流異常の診断能が向上すると考えられる.