Online Journal
電子ジャーナル
IF値: 1.878(2021年)→1.8(2022年)

英文誌(2004-)

Journal of Medical Ultrasonics

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2010 - Vol.37

Vol.37 No.Supplement

一般ポスター
循環器:脈管

(S481)

4Dエコーによる頸動脈プラーク体積計測の有用性(第一報)

The validity of the analysis for carotid plaque by 4D echo scans (the first report)

小川 知宏1, 竹川 英宏1, 平田 幸一3, 高田 悦雄2

Tomohiro OGAWA1, Hidehiro TAKEKAWA1, Koichi HIRATA3, Etsuo TAKADA2

1獨協医科大学神経内科脳卒中部門, 2獨協医科大学超音波センター, 3獨協医科大学神経内科

1Stroke division, Department of Neurology, Dokkyo Medical University, 2Center of Medical Ultrasonics, Dokkyo Medical University, 3Department of Neurology, Dokkyo Medical University

キーワード :

【目的】
頸動脈エコー検査における最大内中膜複合体厚(Max-IMT)は血管障害合併の指標となっている1).近年,3次元および4次元超音波装置によりプラーク体積の算出も可能となり2) 3) 4),Max-IMTとプラーク体積(PV)に相関を認めない場合には,PVと血管障害との関係について検討する必要がある.そこで今回我々はMax-IMTとPVの相関について検討を行った.
【対象】
頸動脈エコー検査を施行した連続30名(平均年齢66.9±7.5歳,男性23名・女性7名)を対象とした.また明らかな変曲点のない病変や石灰化病変については,体積解析が困難であり,本検討から除外した.
【方法】
GE横河社製volusonを使用し,中心周波数7.5MHzのリニア型プローベおよび4Dプローベを使用し,総頸動脈および頸動脈洞部に観察し得たプラークのMax-IMTを計測した.また,同部位のプラーク体積を4D解析により算出し,両者における相関をスピアマンの順位相関係数を使用し解析した.
【結果】
Max-IMTとPVの間には有意な正の相関関係が認められた(R=0.54, p<0.01).
【結論】
動脈硬化の指標としてMax-IMTを用いることが一般的である.今回の検討ではMax-IMTとPVには強い相関を認め,Max-IMTを測定することでPVを予想することが可能と考えられた.近年循環器領域をはじめ,様々な領域において3次元あるいは4次元超音波装置の有用性が報告されてきているが5) 6) 7),同様に頸動脈領域においても4次元超音波装置ではプラークの性状,潰瘍形成の状況など2次元画像よりも詳細な情報が得られ8),その有用性を証明するためにはさらなる検討が必要であると考えられた.
【参考文献】
[1]Mathiesen EB, Johnsen SH. Ultrasonographic measurements of subclinical carotid atherosclerosis in prediction of ischemic stroke. Acta Neurol Scand Suppl. 2009; 189: 68-72
[2]森潔史,大庭英樹,水野昌宣ら 3D超音波測定法による頸動脈プラーク体積測定の信頼性の検討: 脳卒中 2007; 29, 2: 310
[3]Seabra JC, Sanches JM, Pedro LM et al. Carotid plaque 3D compound imaging and echo-morphology analysis: a Bayesian approach. Conf Proc IEEE Eng Med Biol Soc. 2007; 763-766
[4]Griewing B, Schminke U, Morgenstern C et al. Three-dimensional ultrasound angiography (power mode) for the quantification of carotid artery atherosclerosis. J Neuroimaging. 1997 ; 7(1): 40-45
[5]安河内聰 心臓3D/4Dエコー 小児科診療2008; 71: 33-46
[6]堀田直樹 肝細胞癌治療への3D,4Dエコーの応用 2009; 34, 3: 384-385
[7]丸茂元三,間瀬徳光,難波直子ら 妊娠中の胎児の4Dエコーと出産における満足度に関する検討 超音波医学2008; 35: 473
[8]久門良明,渡邉英昭,大西丘倫ら 頸動脈狭窄症例に対する4次元エコーシステムの使用経験 Neurosonology 2008; 21(1): 30-34