肝臓ってどんな臓器?

肝臓はお腹の右上、肋骨の下にある体の中で一番大きな臓器です。
食べたものの栄養を処理したり、薬やアルコールを分解したり、消化に必要な胆汁を作るなど、生命を支える重要な働きをしています。
しかし、病気があっても症状が出にくいため、「沈黙の臓器」と呼ばれています。

超音波検査とは?

超音波検査は、お腹にゼリーを塗って機械をあてるだけで行える、放射線被ばくがなく、身体への負担が少ない検査です。
通常は空腹で行い、肝臓だけでなく膵臓や胆のうも一緒に調べます。
検査中は、息を吸ったり吐いたりしながら、いろいろな角度から肝臓を観察します。

最近では、

  • 肝臓の硬さ(線維化)
  • 脂肪の量

も測定できるようになり、より詳しい評価が可能になっています。
必要に応じて、造影剤を使った超音波検査を行うこともあります。

肝臓の超音波エラストグラフィ検査

肝臓に伝わる小さな振動(しんどう)の伝わり方を色の縞(しま)模様で表したものです。縞がまっすぐ、きれいに並んでいるほど、正確に測定できていることを示します。この振動の伝わる速さから、肝臓のかたさ(線維化の程度)を調べます。

肝臓の硬さ(線維化)

超音波減衰法による肝脂肪定量検査

左側は通常の超音波画像、右側は肝臓の中で超音波がどれくらい弱まったか(減衰)を色で表したものです。色がオレンジに近いほど超音波が弱まりやすく、脂肪が多いことを、水色に近いほど脂肪が少ないことを示しています。この色の分布から、肝臓にたまった脂肪の量を調べることができます。

脂肪の量

超音波検査で見つかる主な病気

脂肪肝

肝臓に脂肪がたまった状態で、健診で最も多く見つかります。
肥満、糖尿病などの生活習慣病や飲酒と関係します。一部では肝臓の炎症や線維化が進み、肝硬変や肝がんにつながることがあるため注意が必要です。

脂肪肝①
脂肪肝の超音波画像①
肝臓が通常より白っぽくみえます(ブライトリバー)
脂肪肝②
脂肪肝の超音波画像②
肝臓が腎臓に比べて白っぽくみえます(肝腎コントラスト陽性)

肝血管腫

血管が集まってできた良性のしこりです。
ほとんどの場合、症状はなく治療も不要です。

肝血管腫の超音波画像
黄色の矢印が肝血管腫を示す

肝のう胞

肝臓の中に液体がたまった袋状の病変です。
単純性肝のう胞の多くは良性で、通常は治療の必要はありません。

肝のう胞の超音波画像
黄色の矢印が肝のう胞を示す

慢性肝炎・肝硬変

肝臓が長い間ダメージを受けることで起こります。
原因はウイルス、アルコール、脂肪肝などです。進行すると肝臓が硬くなり、形も変わってきます。

肝硬変①
肝硬変の超音波画像①
肝硬変②
肝硬変の超音波画像②
いずれも肝臓の辺縁が鈍化し、表面に凹凸がみえ、肝臓のエコーが粗くみえる

肝がん

肝臓にできるがんには、

  • 肝細胞がん
  • 肝内胆管がん
  • 転移性肝がん

があります。
疑われた場合はCTやMRIで詳しく調べます。

肝細胞癌①
肝細胞がんの超音波画像①
矢印が肝細胞がんを示す
肝細胞癌②
肝細胞がんの超音波画像②
矢印が肝細胞がんを示す
転移性肝癌①
転移性肝がんの超音波画像①
矢印が転移性肝がんを示す
転移性肝癌②
転移性肝がんの超音波画像②
矢印が転移性肝がんを示す

まとめ

肝臓の病気は症状が出にくいため、健診での発見がとても重要です。
血液検査で異常を指摘された場合や、肥満、糖尿病、飲酒など生活習慣に関連する肝臓病が気になる方は、医療機関に相談し、必要に応じて超音波検査を受けましょう。
なお、超音波検査だけでは診断できない場合があり、必要に応じてほかの検査を組み合わせます。


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