音で診る、やさしい医療

超音波(エコー)検査は、人の体に害のない「音波」を使って臓器や血流の様子を調べる、安全でやさしい検査方法です。放射線を使わないため被ばくの心配がなく、小さなお子さんからご高齢の方、さらにはお母さんのおなかの赤ちゃん(胎児)までも安心して受けることができます。

数ミリの病変も見逃さない、切らずに治す進化する医療

大きな特長の一つは、そのきわめて高い分解能です。数mm単位の小さな病変、たとえば早期の癌なども描出でき、時にはCTやMRIをも凌ぐ精密さを発揮します。さらに最新の技術では、微細な血流評価までも可能となり、病気の早期発見や正確な診断に大きく役立っています。
近年は装置や技術が進歩し、診断だけでなく治療にも応用が広がっています。体に傷をつけずに病変を治す「集束超音波治療」、リハビリのほか接骨院や整形外科の現場で活用される治療効果を高めるために利用される低出力の超音波など、幅広い医療の場面で用いられています。また、ポケットに収まるほど小型の装置も登場し、救急医療や災害医療や救急の現場でも大きな力を発揮しています。
さらに、医療以外の分野でも、配管の内部状態や建物のひずみを調べるなど、社会生活を支える技術としても超音波は利用されています。つまり超音波は、医療と暮らしの両面で幅広く人々を支える重要な技術なのです。

正しい理解を広める、日本超音波医学会の役割

しかし市民の皆さまの多くは「超音波=おなかの検査」という限られたイメージしか持っていません。
そこで日本超音波医学会は、正しい知識を市民に広く伝えると同時に、検査を担う臨床検査技師や医師に対して教育・研修を行い、技術と知識の向上を支える役割を担っています。 その一環として、この情報発信コンテンツを立ち上げました。
本学会は、専門家の立場から最新の科学的知見を整理し、診断から治療まで安全に超音波が活用されるための指針を示すと同時に、医療者と市民の双方に正しい理解を広めていく使命を果たしています。
私たちは、超音波の持つ「安全性・高精度・幅広い応用力」を市民の皆さまと共有し、その進歩と普及を通じて健康と安心のある社会づくりに貢献してまいります。


それぞれの検査について

乳房 超音波検査(乳腺)
【超音波検査に関わること】心臓 超音波検査
【超音波検査に関わること】腹部 超音波検査