腹部超音波検査(おなかの超音波検査)

どのような検査?

超音波を用いておなかの中の臓器を観察します。
おなかにゼリーを塗り、超音波を発信するプローブを密着させて、おなかのなかの臓器をモニターテレビで観察する検査です。検査時間は10分間ほどです。

検査の流れ

  1. 食後は胆のうが収縮してしまったり、胃や腸の空気が多くなったりして、観察しにくくなるために、検査前の食事を控えていただきます。
  2. おなかを出しズボンやスカートは腰の骨くらいまで下げます。上着は胸の下まで上げていたきます。検査台に仰向けになり、両手を頭の方に上げます。
  3. お腹の痛いところはないか確認します。痛いところがあれば遠慮なく言ってください。
  4. プローブを肋骨の間や下、おなかに当て、観察します。息を吸ったり、吐いたり、止めてもらったりすることがあります。座ったり、体の向きを横に変えてもらったりして検査することもあります。
  5. 検査が終わったら、ゼリーをふき取ります。無色無臭で清潔なものです。服についても洗濯すれば問題ありません。

検査でわかること

腹部超音波検査では、脾臓、膵臓、胆のう、肝臓、血管、腎臓、(胃や腸)について検査を行い、腫瘍や結石、炎症などがあるかどうかを検査します。ドプラという方法で血管やそれぞれの臓器の血液の流れや腫瘍の中の血液の流れも観察できます。
超音波検査専用の造影剤を注射することで、腫瘍などのさらに細かい血液の流れを観察することができます。肝臓の硬さや脂肪の多さを測ることができる機械もあります。

確認できる主な病気

  • 肝臓:脂肪肝、肝のう胞、肝腫瘍(がん)、胆石、胆管拡張など
  • 胆のう・胆管:胆石、ポリープ、胆のう・胆管腫瘍(がん)など
  • 膵臓:膵がん、膵炎、膵のう胞など
  • 腎臓:腎結石、腎のう胞、水腎症、腎腫瘍(がん)など
  • 脾臓:脾腫、脾のう胞、脾腫瘍
  • 前立腺:前立腺肥大症、前立腺がん
  • 腹部大動脈:腹部大動脈瘤
  • 胃・腸:虫垂炎、腸炎、腸閉塞など
  • その他:リンパ節腫大、腹水、胸水など

検査を受けるときに気をつけること

  • 食事をすると胆のうが縮こまったり、胃や腸にガスが発生しやすくなったりして、観察がうまくできなくなるので、検査の当日の朝食は原則禁止です。
  • 常用薬は飲んでも構いません(なるべく水やお茶で飲んでください)。ただし、糖尿病のお薬やインスリンの注射については先生と相談してください。
  • 検査をスムーズに受けられるように、ワンピースやボディスーツなどは避けて、腹部を出しやすい服装で検査を受けにきてください。
  • 腹痛などのため、緊急で検査をすることがあります。

検査の特徴

超音波検査は放射線による被ばくの心配はなく、体への負担が少ない検査です。そのため、お子さんや妊婦の方も受けることができます。1回の検査でお腹の中のいろいろな臓器を検査することができます。痛みのあるところを確認しながら検査できますし、胃や腸の動きもリアルタイムに観察することができます。ただし、骨や空気は超音波をほとんど通さないため、肺や肋骨の影響でお腹の臓器をすべて完璧に観察することができる訳ではありません。

検査の費用

検査の費用は、3割負担の場合は約1,600円、2割負担の場合は約1,100円、1割負担の場合は約500円です。血流をみるドプラ法を併用した場合や肝臓の硬さや脂肪の程度を測定した場合は3割負担で約500~600円ほどの追加になります。